介護認定審査会

本日、今年度最後の仙台市介護認定審査会に出席いたしました。この会は介護保険を申請される方の要介護度を決定するもので、4年前から委員として月2回出席しています。審査会は医師、薬剤師、介護施設職員等計5人一班で構成され、青葉区だけで15班あります。介護保険を申請された方はわかると思いますが保険を申請しますと、調査員の方が、身体機能や認知機能等について調査をしに訪問いたします。その調査結果と主治医の意見書をもとに、その方がどの程度の介護サービスを受けることができるかを認定するのがこの審査会です。
今日で今年度最後で、来年度からはより新しい基準に沿った審査が行われる予定です。審査のうえで、主治医の意見書は大切な指標となるのですが、簡潔すぎたり、大切なことが書いていなかったりするものもあり、来年度からは調査員の調査がよりコンピューター化されるようなので、主治医の意見書をより詳しく書かないと認定に反映されにくくなるのではないかと危惧しています。
おととい(3月16日)はそのための研修会が市役所のホールで開かれ参加しました。仙台市は約3万人の介護認定者がおり、年々増加しているとのことです。

また昨日は、桜ケ丘クリニックの福島健泰先生が発起人である、せんだい治験委員会に委員として出席いたしました。
このところ診療後毎日このような会合がありますが、いずれも地域の開業医として担うべき仕事と考えています。

明後日から日本循環器学会出席のため、大阪に出張いたします。このため3月21日(土)は休診となりますので、なにとぞご了承いただきますようお願い申し上げます。
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# by dobashinaika | 2009-03-18 23:58 | 開業医生活

インスリン注射の決断をめぐる患者ー医者間の溝~糖尿病勉強会に出席して~

一昨日、昨日と開業医の先生が主催する糖尿病の勉強会に続けて参加いたしました。(11日:宮城糖尿病談話会、12日:循環器内科専門医のためのインスリンフォーラム)。特に本日は、盛岡で最近開業されたかねこ内科医院の金子能人先生をお招きし、インスリンを患者さんにどう処方するかについての講義を受けました。先生は糖尿病専門医であり、1日1回のインスリン注射について分かりやすく講演していただきました。

三大生活習慣病とされる高血圧、脂質異常症(コレステロールなどが高い)、糖尿病のうち、医者が習得すべき知識、技術の一番多いのは何と言っても糖尿病です。薬の種類もたくさんありますし、インスリンを初めて患者さんに勧めるときの導入法については、特に専門的な勉強が必要になります。

今日の勉強会でも話題になりましたが、インスリンの注射が必要です、と患者さんに切り出す場合、たいていの患者さんは躊躇されます。なぜでしょうか?

と、その前に医者が、この患者さんにはインスリンが必要だと判断する思考回路と、患者さんがインスリンを自分で打つことに対して決断する時の思考回路とを比較してみましょう。医者の思考回路は割と単純で整然としています。a0119856_019165.jpg患者さんがインスリンを打つことによる利益はだいたい統計学的に分かっています(これも細かく言うといろいろな意見はありますが)。また打つことで発生する副作用の頻度も高い精度で割り出されています。この利益とリスクを天秤にかけ、もちろん利益が上回ると判断したから、患者さんにインスリンを勧めるのです。

いっぽう患者さんがインスリンを打つかどうかの決断には、どんな要素がからむでしょうか?まず何といっても、インスリン注射という行為あるいは痛みに対する恐怖感があるでしょう。また医者の説明を聞いて低血糖という副作用への不安もわいてきます。これらの恐怖、不安には例えば身近な人がそれで苦しんだといった体験談が大きく影響することもあります。またコストの問題、注射することの煩わしさなどもあります。一方インスリンを打つことで、体調が良くなる、将来透析を受けなくて済むといった利益は医者から説明された情報としてあるはずです。私の印象では、インスリンを打つという行為そのものが、自分は重症者であると烙印を押されたように感じること、が最も大きな要素であり、これに対し将来透析を受けなくて済む、といったことはもともと人間にとってイメージしにくいものである、と、この辺に問題があるように思います。

医者にとってはインスリン導入の決断は科学的データによる利益とリスクの引き算だけで済みますが、患者さんの決断には上記のような多種多様の要素の掛け算、割り算が必要と思われます。医者がこれら患者さん側の掛け算割り算をどのくらいわかることができるか、によってだいぶ治療の方向が変わってくるのではないかと思います。

最近はどうすればこの溝を埋められのか、よく考えるのですが、今後少しずつこのブログに書いていこうと思っています。
# by dobashinaika | 2009-03-13 00:20 | EBM

第3回八幡地区包括ケア会議

今日の夜は八幡コミュニティーセンターで今年度第3回の八幡地区包括ケア会議があり。出席しました。包括ケア会議とは48号線沿いの早美ビルにあります国見包括支援センターさんが主催され、八幡地域の高齢者の包括的な支援について話し合う会合で、年3回開かれています。本日は八幡交番の署長さん、八幡地区赤十字奉仕団の団長さん、社会福祉法人青葉福祉会の理事長さん、東北福祉大学地域減災センターの先生、青葉区保健福祉センター障害高齢課の方などが参加されました。

今回は八幡地区での防災啓発活動、つまり地震等の災害に備え高齢者が準備すべきことをどう周知徹底させるかについて話し合いいたしました。国見包括支援センターさんは大変活発に地域活動を行っておられ、今回は防災チェックリストを作成し、緊急時の連絡先、避難場所、かかりつけ医療機関や内服薬などが、災害時に分かるようになっているかなどを高齢の方に呼びかけていこうと取り組んでおられました。

しかしまず第一の問題として、そのようなチェックリストをどの方に配ったらよいかということが議論に上りました。この八幡地区だけでも90歳以上でお元気な方は90人以上もおられるとのことです。一戸建てにご家族と同居されている方は良いとしまして、一人ぐらしの方、ご高齢のご夫婦二人暮らしの方などが、マンション等の集合住宅にお住まいの場合は、そのような方がどこに住んでいるのかさえ、赤十字奉仕団や町内会などでも把握できていないとのことです。個人情報保護が壁になっているようです。

災害発生時は、普段飲んでいる薬が入手できなくなる場合が想定されます。また万が一避難所生活になった場合、血圧の薬など何を飲んでいるかわからないと臨時診療所などにおいて困る場合もあります。当院では患者さんに「私のカルテ」にて薬の内容などを書いて渡すようにしておりますが、災害時にこの手帳を手元に置いておくように私のカルテに表示すること、緊急連絡先を書く欄を設けることなど、すぐに実践していこうと、強く思いました。
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# by dobashinaika | 2009-03-05 21:58 | 医療の問題 | Comments(0)

薬剤師とのミーティング

a0119856_21303272.jpg本日、昼、当院に近接するアイ薬局の薬剤師さんとのミーティングがありました。このミーティングは月1回、第4木曜日、昼食をとりながら行われるもので、土橋内科から出される薬の処方について、まず薬剤師さんから私に、なぜこの処方が出ているのか等や処方の間違い等の薬の情報について質問してもらい、私がそれについて答えます。次に、患者さんが、なにを薬剤師さんに質問したかなど、患者さんの情報を報告しもらいます。また、患者さんが薬をきちんと飲んでいるのかなどの情報も医師に伝えてもらうようにしています。アイ薬局さんではそれらの情報を一覧表にしてくださいますので、大変助かっています。

今日のミーティングでも、診察室で医師に言わずに、薬局で薬剤師さんに薬のことを聞く方が多数おられることが報告されました。たとえば風邪薬を睡眠薬と一緒に飲んでもよいか、とか朝飲み忘れた薬を昼に飲んでもよいかなどなど。こういうことは、医師に聞きづらいということもあるのでしょうが、短い診察時間の中でつい聞くことを忘れてしまう、もっと別のことを訴えていたら聞く時間がなかった、などのために薬剤師さんに尋ねるのではないかと思われます。

どうしても外来診療時間の短い日本の診療所においては、患者さんからの情報を集める、伝えるという大事な作業はやはり医師だけでは不十分であることをいつも痛感させられます。これを看護師、薬剤師、事務職などなどマンパワーをフル動員して今後とも取り組んでいきたいと思います。
# by dobashinaika | 2009-03-05 21:30 | 医療の問題

高校の同窓会~ルーブル美術館展

先週末(2月28日)は東京で、私の母校(高校)の同窓会に出席いたしました。学年全体の同窓会は卒業後初めてであり、多くの恩師、級友に実に29年ぶりに再開し、つかの間の時間旅行をした気分になりました。

母校の同窓会は「知道会」といいます。「知道」とは中国の五経のひとつ「易経」の中の「知 萬物に周(あまね)くして、道 天下を済(すく)う」に由来します。易経は占いの書ですので、ここでの「知」はいわゆる「知識(形式知)」ではなくて、最近よく言われる「暗黙知、経験知」のことではなかろうかと勝手に解釈しています。

この「知」は、医師にとっては、医学の教科書にある知識や私のモットーとしている科学的根拠(エビデンス)とかではなく、患者さんを診療する中から自然に身に付いた「改めて考えることなく使用できるなにものか」だろうと推察されます。

ワーファリンという納豆が食べられなくなる薬がありますが、このくらいの血液サラサラ度だったら、このくらいの量を処方しよう、という知識は教科書にはのってはいません。これなど、まさに「経験知」だろうと思います。このような経験知、暗黙知の引き出しをできるだけ多く使える医師を「名医」というのだろうなあ、などと同窓会の案内を見ながら帰りの新幹線で、つらつら思いました。

と、その前に、同窓会は深夜まで続きましたので一泊し、翌日フェルメールパワーをもらいに国立西洋美術館「ルーブル美術館展」に行きました。「レースを編む女」を凝視していますと、ダリがリメイクしたかった気持ちがわかるような気がします。あの光の描き分け方も「暗黙知」でしょうねえ。
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# by dobashinaika | 2009-03-02 23:37 | 音楽、美術など


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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