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米国プライマリケア外来でも過去5年間でDOAC処方率は増加したが,抗凝固薬全体の処方率は変わらず:AJC誌


・米国の18のプライマリーケアネットワークのデータべース
・CHA2DS-VAScスコア2点以上の心房細動
・心房細動患者:3.5%(2010年)→4.0%(2015年)
・抗凝固薬処方率(心房細動患者中):57.0%→57.4%(p=0.41)
・抗凝固薬処方率(高リスク例):61.1%→61.7% (p=0.51)
・DOAC処方率:0.31%(2010年)→18.3%(2015年) (p<0.001)
・DOAC処方例はより若年で低リスク
・結論:DOACは総じて処方が増えているが,抗凝固薬全体の処方率は増加していない。

###先日のPINNACLEレジストリと同様ですね。プライマリ・ケアセッテイングでも同じで,DOACは増えているが抗凝固薬の処方自体は余り増えていないとい言うのが世界の趨勢のようです。

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ひさびさのネコシリーズ。どこにいるでしょうか?ってわかりますね。

by dobashinaika | 2017-06-20 19:26 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)

低リスク症例では,NOACは虚血性脳卒中/全身性塞栓症でワルファリンと同等。出血はダビガトラン,アピキサバンで低率


重要性:NOACのRCTの対象はリスク2つ以上の患者が多く,ダビガトラン,アピキサバンの場合も(組入基準はCHADS2スコア1点以上だが)1点の患者は少ない。しかるに保険適応は1点以上を基本にしている。

目的:リスクが1つのみの患者におけるNOACのアウトカムをワルファリンと比較

デザイン,セッティング,対象:
・デンマークの全国登録研究
・ダビガトラン150mg,リバーロキサバン20mg,アピキサバン5mg標準量とワルファリンの有効性,安全性比較
・CHA2DS2-VAScスコア1点(性別無関係)の心房細動患者14020例

主要評価項目:虚血性脳卒中/全身性塞栓症,死亡,出血

結果:
1)全14,020例,女性36.7%,66.5歳

2)虚血性脳卒中/全身性塞栓症:NOAC vs ワルファリンで有意差なし

3)あらゆる出血:NOAC(ダビガトラン,アピキサバン)はワルファリンより有意に低率
ダビガトラン:HR,0.35; 95%CI, 0.17-0.72
アピキサバン:HR, 0.48; 95%CI, 0.30-0.77
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4)感度分析において,多くのサブグループで同様の結果,1年と2.5年追跡でも同様

5)残存する交絡因子があるので,虚偽の結果である可能性はある

結論:このコホート研究では,虚血性脳卒中/全身性塞栓症はNOACとワルファリンで同等だった。「あらゆる出血」はダビガトランとアピキサバンでワルファリンより低率だった。未知の交絡因子はあるのでこのデータはNOACの優位性を断定するものではない。

### RCTでも「虚血性脳卒中」に限ると,ワルファリンに勝つのはダビガトラン150mgだけでしたので,全身性塞栓症を抱き合わせでの実臨床データになると,ワルファリンと同等となってしまうようです。その分出血は低率で,ワルファリンが年間1.53%のところ,ダビガトラン0.73%,アピキサバン0,57%と半分以下でしたが,リバーロキサバンでみ1.33%でワルファリンと同等でした。頭蓋内出血/消化管出血という重症出血で見てもアピキサバン0.06%,ダビガトラン0.16%,ワルファリン0.54%とのことです。

この結果からは,(リバーロキサバンを除いて)RCTに準じた結果であり,NOACが良いように思えます。

ところでDiscussionのところでLip先生が興味深い試算をしているのでメモしておきます。
OACを処方する時に脳卒中発症率の閾値(これより高い集団では出血リスクを上回るため処方)はワルファリン1.7%,NOACは0.9%1)。ワルファリンではTTR70%以上であれば年間1.7%をより低率にさせる2)。

となると,日本人は,各登録研究でこの閾値より低いことが示唆されているので,ほんとうのところは同様のコホート研究をしないかぎり,まだNOACの(ワルファリンに比べての)安全性を確定することはできないとの思いを,むしろ強くします。

### 念願のブリューゲル展に行ってきました。
超絶な精緻さが,バベルの塔=人間の欲望をよりクールに際立たせているように思います。
大友克洋版「INSIDE BABEL」も童夢の団地群が想起されて胸熱でした。
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by dobashinaika | 2017-06-18 23:08 | 抗凝固療法:比較、使い分け | Comments(0)

低用量適応のない例での低用量使用時,アピキサバンでのみ脳卒中が増加し出血は変わらず:JACCより


目的:NOACの用量とアウトカムの関係

方法:
・米国の大規模データベース
・あらたにアピキサバン,リバーロキサバン,ダビガトランを開始した心房細動14865例
・低用量推奨例での標準量使用(オーバードーズ),低用量適応のない例での低用量使用(アンダードース)のアウトカムを評価

結果:
1)低用量推奨例1473例での標準量使用(オーバードーズ):43%
大出血のハザード比2.19,95%CI1.07-4.46
NOAC間で差はなし

2)標準用量推奨例13392例での低用量使用(アンダドーズ):13.3%
アピキサバンのみ脳卒中増加(ハザード比4.87,95%CI1.30-18.26),大出血は減らさず
ダビガトランとリバーロキサバンでは脳卒中,出血とも(標準用量使用と)有意差なし
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結論:日常臨床のプラクティスでは,ラベリング外の用量がしばしば処方されている。重症腎機能低下患者では効果はなく,より出血リスクが高くなり,正常または軽度腎機能低下患者でのアピキサバン使用は安全性の点で問題があった。

### アピキサバンのみ低用量で成績が落ちる機序として,筆者は1)リバーロは20から15だが,アピは5から2.5と半分になる,2)ダビは75(!)だが,より注意深く医師が使った,3)アピで減少する例が他より多く,目立った。4)アピキサバン群は他より高齢だった,などを挙げていますが,4)以外はやや意味不明な感があります。

用量設定通りに使わないことへの警鐘(特にアピキサバン)と捉えたいところです。

$$$ 今年は遅まきながら始めた家庭菜園。今年もミニトマトとナス
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by dobashinaika | 2017-06-17 00:01 | Comments(0)

ワルファリンの管理状況が良ければ脳卒中/全身性塞栓症はNOACとほぼ同じ:RCTのメタ解析より


疑問:ワルファリンの管理状況 (その施設のTTR=cTTR)がどの程度であればNOACに負けないか?

方法:第3相比較試験のメタ解析。一次エンドポイントが脳卒中/全身性塞栓症と大出血あるいは小出血かつ臨床的に意義ある出血 (NMCR)

結果:
1)TTRについてのサブ解析対象:71,222例

2)cTTR<60%:脳卒中/全身性塞栓症でNOAC優位 (HR 0.79, 95% CI 0.68–0.90)

3)cTTR60~70%:脳卒中/全身性塞栓症でNOAC優位 (HR 0.82, 0.71–0.95)

4)cTTR≧70%:70%未満と比べて交互作用あり (1.00, 0.82–1.23)(p = 0.042)

5)大出血:すべてのサブグループでNOACが優位。ただしcTTR≧70%では優位性ないが交互作用はなし

結論:TTR70%以上ではNOACのワルファリンに比べた有効性は低い。しかし相対的に安全性(の優位性)についてはcTTRの影響は少ない。

### ちょっとややこしいですが,TTR70%以上なら有効性はNOAC=ワルファリンは確実。安全性も同等の傾向だが統計的には断言できない。ということかと思います。

注意すべき点としてはTTRはその施設のデータなので,ひとりひとりの患者さんのデータからの結論ではないことです。
ただ,Lip先生のTTR70%ではワルファリン変えなくて良い説をある意味,裏付ける結果とは思われます。

$$$ 散歩でいつも通るご近所のバラの花がここぞと咲き誇っています。
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by dobashinaika | 2017-06-06 21:11 | 抗凝固療法:比較、使い分け | Comments(0)

第10回 どばし健康カフェ「介護が必要になった時、どうしますか?」 2017年6月10日開催いたします!

いよいよ今週土曜日に迫りました。どばし健康カフェです。

第10回記念のテーマは「介護」。

身近な問題を取り上げます。なんでも話せます。

お気軽にご連絡ください。


第10回 どばし健康カフェ「介護が必要になった時、どうしますか?」 2017年6月10日開催いたします!皆様の参加をお待ちいたします。

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by dobashinaika | 2017-06-06 08:17 | 医療の問題 | Comments(0)

やはり心房細動では血圧が高い(収縮期150mmHg以上)と血栓塞栓症と出血リスクが高かった;伏見AFレジストリーから


P:FUSHIMI AF Registryに登録した心房細動患者3713例。追跡期間中央値1,035日

E:高血圧あり:2304例,62.1%

C:高血圧なし:1409例

O:脳卒中/全身性塞栓症,大出血

結果:
1)高血圧の既往は,脳卒中/全身性塞栓症,虚血性脳卒中,頭蓋内出血,大出血ともに影響なし

2)ベースライン血圧150mmHg以上群(305例,13.3%):150mmHg未満群(1983例)にくらべ
脳卒中/全身性塞栓症多い:HR: 1.74, 95% confidence interval [CI]: 1.08–2.72
大出血多い:HR: 2.01, 95% CI: 1.21–3.23

3)150mmhg未満群は,非高血圧群と比べて脳卒中/全身性塞栓症,大出血に差はなし
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結論:脳卒中/全身性塞栓症,大出血とも,特に収縮期血圧の高い心房細動患者において発症リスクが高かった。

### 臨床に直結するデータですね。最近ではJ-RHYTYHレジストリーで同様研究があり,それでは収縮期血圧136mmHgで切られていました。
伏見では150がカットオフポイントですが,140−149mmHgは差がなかったようです。

Discussionにもあるように,血圧はベースラインのワンポイントの値なのでこれだけで目標値を定めるのは無理がありますが,自験例でも出血,梗塞を起こす症例は,だいたい145~150mmHgを超えるような症例であり,実感に合っているように思います。

抗凝固薬ありでもなしでもこのことは認められているので(抗凝固薬無し群はそれだけ低リスクであることに注意),抗凝固薬を出しっぱなしにして血圧を軽く見てはいけない,というメッセージを受け取りたいと思います。

いまさらながらですが,抗凝固療法の主眼は脳血管イベント予防にあるのだから,であるなら当然血圧管理が最大の課題であることを反芻します。


### ご近所ネコシリーズ
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by dobashinaika | 2017-06-04 19:15 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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