<   2016年 02月 ( 14 )   > この月の画像一覧

新しいABCスコアはCHA2DS2-VAScスコアよりも心房細動脳卒中の予測能が高い:EHJ誌

The ABC (age, biomarkers, clinical history) stroke risk score: a biomarker-based risk score for predicting stroke in atrial fibrillation
Eur Heart J. First published online: 25 February 2016


疑問:バイオマーカーを指標としたリスクスコアは,従来に比べて心原性脳塞栓症の予測能を向上させるか?

方法
・ARISTOTOLE試験及びSTABILITY試験に参加した14701例
・平均追跡期間1.9年
・Cox回帰モデル
・心房細動1400例で外的妥当性を検討。平均追跡期間3.4年

結果:
1)最も重要な指標は脳卒中/TIAの既往,NT-proBNP,高感度トロポニンI,年齢

2)ABC脳卒中スコア(Age, Biomarkers, Clinical history)と命名

3)CHA2DS2-VAScスコアよりもC統計量は良好:0.68 vs. 0.62, P < 0.001

4)外的妥当性検討コホートでは0.66 vs. 0.58, P < 0.001

5)いくつかのサブグループでもC統計量は高値

結論:新しいバイオマーカーを基にした心原性脳塞栓症予測のためのリスクスコアは,心房細動の大きなコホートにおいて良好な内的妥当性を示したと同時に,さらに別のコホートでも予測能は良好だった。ABCスコアは現在使われているリスクスコアよりも良好で,心房細動における意思決定をより良くサポートする。

### 新しいリスクスコアの登場です。
具体的には以下のノモグラムを使い,脳卒中/TIAの既往,年齢,高感度トロポニンI,NT-proBNPの4項目から,今後1年間及び3年間の脳卒中/TIAリスクを割り出すという作業です。
a0119856_21144086.jpg

このリスクが1%未満をLow,1-2%をMiddle,2%超をHigh riskとしています。出血リスクまでは算出されていませんが,頭蓋内出血のリスクを1%弱としますと,だいたいこのノモグラムでMiddle riskの例では投与を考えると良いかもしれません。

採血をしなければならない(それも高感度トロポニンなど)ので,一般臨床医への普及はどうかなと思いますが,高血圧,糖尿病,心不全といったやや曖昧な指標よりも,数値化されノモグラムを使うというところに正確さがあるのかもしれません。

このノモグラムが日本人当てはまるかですが。。

$$$ 患者さんがバルーンアートでおひなさまを作ってきてくれました。すごい傑作。さっそく飾っています。
a0119856_21155645.jpg

by dobashinaika | 2016-02-29 21:17 | 抗凝固療法:適応、スコア評価 | Comments(0)

DOAC発売により抗凝固薬の処方は増えたのか?:AJCD誌

Suboptimal Use of Oral Anticoagulants in Atrial Fibrillation: Has the Introduction of Direct Oral Anticoagulants Improved Prescribing Practices?
Am J Cardiovasc Drugs. 2016 Feb 10.


疑問:DOAC発売後,抗凝固薬処方は増加したか?

方法:前向き,または後ろ向き実臨床観察研究のメタ解析

結果:
1)多くの研究では,DOAC導入後も抗凝固薬の使用は最適ではないことが示されている

2)特に高リスク例で顕著に使用されていない。

3)DOACの採用は文献によりまったくさまざま

4)いまだに多くの国でデータの統合は遅れている

論:現在利用できるデータでは,DOAC時代にもかかわらず心房細動患者における抗凝固療法は最適な使用状況とはいえず,ガイドラインの遵守も良くない。

### いろいろなデータがありますが,たとえば心房細動におけるDOAC導入後の抗凝固薬処方率は約40%で,あまり変わっていないとのことです。

あるデータでは,DOAC初が以前31.7%,発売後33.7%。GARFIELD-AF第1コホートではVKA59%,DOAC4%です。

DOACの占有率も,低いところで日本のFUSHIMIで6.3%(2014年)のほか,10%台のデータが多いですが,2015年の研究では37.8〜48.8%位くらいの物もあります。

筆者らは,コスト,アドヒアランス遵守の厳しさ,中和薬がない,特殊な例へのエビデンスの欠乏などを挙げているようです。

日本の状況ですが,少なくとも私が見聞きする限りでは,ワーファリンのみの時代に比べれば処方は増えているように思われますが,当初考えられているほど,抗凝固薬自体プライマリケアの場で広く使われているとはいえないと思われます。

$$$ 駐車場にいたところを激写
a0119856_22231248.jpg

by dobashinaika | 2016-02-24 22:24 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)

突然心停止前の徴候は何か?それはどの程度生存に影響するのか?:AIM誌

Warning Symptoms Are Associated With Survival From Sudden Cardiac Arrest.
Ann Intern Med 2016;164:23-29.



疑問:突然心停止の徴候はあるのか,それは生存とどう関連があるのか?

方法:
・The Oregon Sudden Unexpected Death Study
・院外突然心停止例の前向きコホート研究
・35〜65歳
・突然死4週間前の本人,家族,友人,カルテ,救急応対等を調査

結果:
1)893例。平均53歳,男75%

2)430例51%に警告徴候あり。主に胸痛と息切れ

3)多くの症例(93%)で,突然心停止24時間以内に症状が再発していた

4)81例19%の人のみが心停止前に救急要請時に症状を訴えた:これらの患者の多くは心臓病の既往または持続する胸痛を訴えた

5)症状のために救急通報した例の生存率は32.1%で,通報無しでは6.0%

結論:警告徴候は突然心停止の前に頻繁に出現する。緊急のケアは症状のある患者の生存率に関連していた

$$$ 米国は虚血性心疾患による心停止が多い国ですので(全体の2/3〜3/4程度),胸痛,息切れは重要な徴候と思われます。

心停止の4週間前までに半数居のひとが症状を訴え,そのうち9割が24時間以内に症状を感じていた,ということあり,特に心臓病の既往や持続する胸痛には要注意ということですね。

すくなくとも虚血性心疾患高リスクの方や既往のある方には,どういう症状の時は狭心症や心筋梗塞を考えるのか,どんな時に救急隊に連絡すべきなのかに関する日頃からの情報伝達が大変重要であるように思います。

### 近場の日帰り温泉に行ってきました。そこの旅館前で主のように構えるネコ。こうは猫の日ですね。
a0119856_22132594.jpg

by dobashinaika | 2016-02-22 22:18 | 心臓突然死 | Comments(0)

ケアネット連載「服薬アドヒアランスをよくするための実践と考察」アップされました。

ケアネット連載 〜Dr. 小田倉の心房細動な日々~ダイジェスト版~更新いたしました。

今回は「第51回 服薬アドヒアランスをよくするための実践と考察」です。

当院における抗凝固薬の服薬アドヒアランスの現状を紹介し,向上のための対策を考えます。
http://www.carenet.com/series/afjournal/cg001089_0051.html
(要無料登録)

a0119856_2150242.png

by dobashinaika | 2016-02-19 21:52 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

持続性心房細動のほうが発作性より血栓塞栓症が多い:EHJ誌システマティックレビュー

The impact of atrial fibrillation type on the risk of thromboembolism, mortality, and bleeding: a systematic review and meta-analysis
Eur Herat J First published online: 16 February 2016


疑問:心房細動のタイプによって血栓塞栓症,出血,死亡率に違いはあるのか?

方法:
・PubMed検索によるシステマティックレビュー
・非発作性 (NPAF)vs.発作性 (PAF)

結果:
1)12研究,99996人

2)血栓塞栓症ハザード比(NPAF vs. PAF)(非補正時) :1.355 (95% CI: 1.169–1.571, P < 0.001)

3)血栓塞栓症ハザード比(抗凝固薬なし) : 1.689 (95% CI: 1.151–2.480, P = 0.007)

4)血栓塞栓症ハザード比(補正後): 1.384 (95% CI: 1.191–1.608, P < 0.001)
a0119856_2328126.gif

5)全死亡率ハザード比(非補正時):1.462 (95% CI: 1.255–1.703, P < 0.001)

6)全死亡率ハザード比(補正時後):1.217 (95% CI: 1.085–1.365, P < 0.001)
a0119856_23253460.gif

7)出血ハザード比(非補正時):1.00 (95% CI: 0.919–1.087, P = 0.994)

8)出血ハザード比(補正時後):1.025 (95% CI: 0.898–1.170, P = 0.715).

結論:非発作性心房細動は,発作性に比べて血栓塞栓症と死亡が有意に増加。このデータは心房細動の進展に関する新たな治療と,さらなる研究を必要とする。

### 伏見レジストリ-でも,最近同様の見解が出ていますね。
http://dobashin.exblog.jp/21797910/

やはり持続性のほうが良くないというデータは近年数多くでています。CHADS2スコアといい,ヘパリンブリッジといい,発作性-非発作性の差といい,ここ1〜2年で心房細動治療の常識とされていた知識が揺らぎつつあるように思われます。次回ガイドラインまで待てない感じですね。

$$$ 今週日曜日,20℃あった2月の午後の空。雲が分厚く不気味でした。翌日はまた最高気温5度以下。体調には十分ご注意ください。
a0119856_23245597.jpg

by dobashinaika | 2016-02-18 23:29 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)

東アジアにおけるエドキサバンの有効性,安全性:CJ誌

Edoxaban vs. Warfarin in East Asian Patients With Atrial Fibrillation – An ENGAGE AF-TIMI 48 Subanalysis –
Circulation Journal 2月16日



疑問:東アジアの患者においてエドキサバンの安全性,有効性はどうか

方法:
・対象:21歳以上,CHADS2スコア2点以上,PTINR2~3
・ENGAGE AF-TIMI48試験の東アジアでの参加者

結果:
1)患者数1943人;日本,中国,台湾,韓国

2)脳卒中/全身性塞栓症:エドキサバン60mg1.35%,30mg2.52% vs.ワルファリン2.62%:60mgハザード比0.53 (0.31−0.90,P=0.02),30mgハザード比0.98 (0.63-1.54. P=0.93)

3) 大出血:エドキサバン60mg2.86%,30mg1.59% vs.ワルファリン4.80%:60mgハザード比0.61 (0.41−0.89,P=0.011),30mgハザード比0.34 (0.21-0.54, P<0.001)

結論:1日1回のエドキサバンは,アジア人においてワルファリンと同等の有効性だが,大出血はワルファリンより少ない

### 非アジア人のデータはというと,脳卒中/全身性塞栓症ハザード比:60mgで0.84,30mgで1,09。大出血は60mgで0.83, 30mgで0.49でした。

消化管出血は非アジア人では60mg1. 27,アジア人では30mg0.67でしたが,アジア人は60mgで0.91,30mgで0. 67でした。

注意したいのは,ランダム化の際クライテリアにひっかかったため用量を減少したのが非アジア人23.2%に対し,アジア人46.9%にも及んだとのことです。
そのせいか全体に非アジア人よりも対ワルファリンの安全性は高いようです。特に消化管出血は,高用量で非アジア人だとワルファリンより増えていましたが,アジア人では同等でした。

サブグループ解析ですので,あくまで参考程度に

$$$ 先週,新しい地下鉄に乗って八木山動物公園駅まで行ってきました。動物園に行くにはビルの5階までエレベーターを使います。屋上から水平線がそれはよく見えました。
a0119856_19311093.jpg

by dobashinaika | 2016-02-16 19:32 | 抗凝固療法:エドキサバン | Comments(0)

新しい心房細動探知機MyDiagnostickを使うと1.1%の人に新たな心房細動が見つかる:Europace

Yield of screening for atrial fibrillation in primary care with a hand-held, single-lead electrocardiogram device during influenza vaccination
Europace http://dx.doi.org/10.1093/europace/euv426 euv426 First published online: 6 February 2016

疑問:新しいデバイスで心房細動をどの程度検出できるか

方法:
・オランダのプライマリーケアセッティング
・携帯用の単極デバイスMyDiagnostickを,インフルエンザワクチン接種者全員に使用
・デバイスで疑わしい患者は,専門医により1分間心電図施行

結果:
1)3269例,10施設,60歳以上または基礎疾患を持つ若年者

2)37例1,1%で新たな心房細動を検出

3)TIAの既往(OR 6.05; 95%CI 1.93–19.0),年齢(OR 1.09 per year; 95% CI 1.05–1.14)は新規検出の予測因子

4)新規検出37例中,CHA2DS2-VAScスコア0点が2.7%,1点18.9%,2点以上78.4%

5)大部分の患者で抗凝固薬が必要

結論:携帯型単極心電図デバイスはインフルエンザワクチン接種時の心房細動検出に有効。1.1%の新規患者が見つかる

### MyDiagnosticとはこんな感じです。
a0119856_2273026.jpg

https://www.mydiagnostick.com/

オムロンの携帯心電計や,アイホンアプリでも良いと思いますが,コレは持ちやすくより簡便な感じがします。
以前のブログで,65歳以上の外来患者全員の脈とりだけでも1.4%に新規が見つかるというデータを紹介しましたが,今回はワクチン接種時ですので,60歳以上または基礎疾患を持つ若年者が対象となっています。特に動悸などの自覚症状もない一般住民です。

そうした集団でも1%強に簡単なデバイスで心房細動が見つかってしまうということですね。しかも多くの場合抗凝固が必要。

これいくらくらいするのか,気になります。

$$$ 黄金伝説展,これは掛け値なしにすごかったです。紀元前,我々とは別次元の人類が生息していたのかと思わせるほどの超絶技巧。堪能いたしました。
a0119856_2210072.jpg

by dobashinaika | 2016-02-14 22:12 | 心房細動:診断 | Comments(0)

臨床上の各場面でどの抗凝固薬を選べばよいかpart2:EHJ誌

昨日の続き,パート2です。
Choosing a particular oral anticoagulant and dose for stroke prevention in individual patients with non-valvular atrial fibrillation: part 2
Eur Heart J http://dx.doi.org/10.1093/eurheartj/ehv643 ehv643 First published online: 4 February 2016

<脳卒中二次予防>
第1選択:NOACがワルファリンに優る
コメント:アスピリンは使用すべきでない。抗凝固薬と抗血小板薬の併用は抗凝固薬単独に比べ脳梗塞を予防できない,特にリスクの高い時期に限るべき

<脳卒中急性期:血栓溶解,血栓除去術を要する場合>

治療選択:
・血管内血栓溶解のリスクとベネフィットを慎重に考慮後,特異的な凝固能測定によりNOACの抗凝固作用が低いとされればrtPAが投与される
・機械的血栓除去は,NOACの抗凝固作用が十分効いている近位頭蓋内動脈閉塞患者の,血栓溶解に変わる代替治療になる

<一過性脳虚血発作あるいは虚血性脳卒中後の抗凝固薬の開始または再開>
治療タイミング:
・頭蓋内出血除外後第一日からNOACを含む抗凝固薬開始する。1−3−6−12日ルールにはエビデンスがない
・軽度の虚血性脳卒中では,3日後から抗凝固薬開始
・中等度の場合5−7日後
・高度の場合12−14日後
・コメント:出血への転化を否定するために中〜高度の患者は抗凝固薬前に画像で評価

<消化管出血高リスク患者>
第1選択:アピキサバン5mgx2またはダビガトラン110mgx2
第2選択:ダビガトラン150mgx2またはエドキサバン60mgまたはリバーロキサバン20mg(日本では認可されいない用量)
コメント:
・抗凝固薬下の消化管出血は死亡や重大な後遺症の原因とはならないので,抗凝固薬の選択は脳卒中予防を第一に考える
・消化管出血の「高リスク」の定義は難しい。ピロリ菌関連潰瘍も除菌後は高リスクではない
・アスピリン併用で出血リスクは増加
・出血コントロール後はワルファリンにくらべNOACはすぐに安全に使用できると思われる
・ダビガトラン,リバーロキサバンは75歳以上での消化管出血が増加するエビデンスあり
・がんのスクリーニング(例:大腸ファイバー)は隠れた腫瘍の早期発見を増やし,腫瘍関連出血を減らす可能性あり
・年齢的に妥当な大腸がんスクリーニングは抗凝固薬開始に先立ち施行されるべき

<腎機能低下または透析患者>

・慢性腎臓病ステージIII(ClCr30-49):
第1選択:アピキサバン5mgx2(クライテリアによっては2.5x2),リバーロキサバン15mg,エドキサバン30mg
第2選択:ダビガトラン110mgx2
推奨されない:ダビガトラン150mg2,リバーロキサバン20mg,エドキサバン60mg

・透析患者
第1選択;抗凝固薬なし,またはVKA
推奨されない:ダビガトラン,リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバン

・ClCr>95
第1選択:ダビガトラン150mgx2,リバーロキサバン20mg,アピキサバン5mgx2。VKA以上のNAOCの優位性はない
第2選択:エドキサバン60mg(米国ではFDAの認可なし)

<NNOACと年齢>
第1選択:75歳以上ではアピキサバン5mgx2(クライテリアによっては2.5x2)
第2選択:ダビガトラン110mgx2,リバーロキサバン20mg。エドキサバン60mg

<高血圧患者>

安全性,有効性においてどのNOACが優位ということはない

<アドヒアランス>
・服薬アドヒアランスが良くない患者には使用すべきでない
・アドヒアランスは不可抗力(認知症など)の場合は,ピルボックスや家人,介護者への教育が必須
・この点NOACは固定量で使用簡便
・服薬回数はNOAC選択の優先順位一位ではない。しかしポリファーマシーのひとなどでは考慮の余地あり
・どのNOACが良いかはエビデンスなし

<まとめの表>
a0119856_22162075.jpg


### Lip先生,いつもながら様々な情報を網羅して分類分析するのがお得意です。ただこれ,全部覚えられるでしょうか?

個人的には,TTR70%以上ならワルファリン。管理が良くない患者はコストがゆるせばNOAC.NOAC間の差は余り考慮しなくて良い(プライマリ・ケア医なら),位で良いのではと思われます。

$$$ 早朝の広瀬川河畔
a0119856_22154358.jpg

by dobashinaika | 2016-02-09 22:20 | 抗凝固療法:比較、使い分け | Comments(0)

臨床上の各場面でどの抗凝固薬を選べばよいか:EHJ誌

Choosing a particular oral anticoagulant and dose for stroke prevention in individual patients with non-valvular atrial fibrillation: part 1
Eur Heart J http://dx.doi.org/10.1093/eurheartj/ehv643 ehv643 First published online: 4 February 2016

EHJ(Lip先生グループ)から非弁膜症性心房細動における抗凝固薬の選択と用量についての実践的ガイダンスがでています。
そのパート1

<安定冠動脈疾患+心房細動>

第1選択:NOAC単独,どのNOACでもよい
第2選択:アスピリン長期追加:ただし個々のリスクと冠動脈の形態による
コメント:NOAC間の直接比較研究はない

<安定末梢動脈疾患+心房細動>

第1選択:安定狭心症に同じ:エビデンスが集まるまで

<PCI施行患者+心房細動>

第1選択:トリプルテラピーの患者ではビタミンK阻害薬(VKA,TTR70%超,INR2.0-2.5)またはNOAC(低用量)
コメント:NOAC間の差はない。トリプルテラピーの公表されたエビデンスはダビガトラン(RELY)のみ

<除細動時>
第1選択:VKA:ただしいくつかのデータはNOACで代替できることを示唆,実際除細動までの時間短縮になる
コメント:Post hoc解析ではアピキサバン,ダビガトラン,リバーロキサバン間で差異はない

<カテーテルアブレーション時>
第1選択:ワルファリン(中断なし)
第2選択:ダビガトラン,アピキサバン,リバーロキサバン(中断なし)
歳3選択:ブリッジング下のワルファリン中断
コメント:エドキサバンのエビデンス利用できない

<機械弁,中等〜重症(リウマチ性)僧帽弁狭窄症>
第1選択:VKA
コメント:NOACのデータなし。使用すべきでない

<その他の弁膜症:僧帽弁,大動脈弁,三尖弁閉鎖不全。大動脈弁狭窄>
第1選択:アピキサバン,リバーロキサバン
第2選択:ダビガトラン,エドキサバン
第3選択:VKA

<VKAでTTR70%を超える患者>
第1選択:VKA継続
第2選択:以下の場合NOAC:VKA投与下で大出血,虚血性脳卒中の合併既往あり。SAMe-TT2R2スコア2未満。その他患者の選好と価値を考慮
コメント:NOACの選択と用量は患者の特性による。NOAC間の差はない

<低リスク(CHA2DS2-VAScスコア1点(女性で2点))>
第1選択:OACを考慮:ダビガトラン150x2たまはアピキサバンを考慮

<心房細動1回のみ記録されている場合>
コメント:抗凝固薬の選択は心房細動のタイプ,頻度による
(本文では,原則投与だが,若年でCHA2DS2-VAScスコア1点には使用しないとの記載)

<リズムコントロール,レートコントロール患者>
・べラパミル内服者はダビガトランとエドキサバンは低用量で
・リバーロキサバンは減量しない
・アピキサバンはアミオダロン,ベラパミルに影響しない
・ダビガトランはドロネダロん併用は禁忌
・エドキサバン30mgはドロネダロン併用時に使用すべき

### 大変実践的ですが,全般にNOACイチオシがやや目立ちます。「コスト」の項目がないのが遺憾といえば遺憾(笑)
膨大なCOIの記載を見ればそれも頷けますか。

パート2も後日ご期待を

$$$ 冬の散歩の風物詩,ガードレールで自己主張する片っぽ手袋。今日も全世界の何処かで大量片っぽ手袋が路上や塀やガードレールにひとりさびしく,引き取りてもなく置着ざりにされているかと思うと不憫でなりません(笑)
a0119856_0115057.jpg

by dobashinaika | 2016-02-09 00:13 | 抗凝固療法:比較、使い分け | Comments(1)

「実地臨床における抗血小板薬選択のポイント」ケアネットにサイトアップされました

以前,雑誌「CardioVascular Contemporary」に掲載された「実地臨床における抗血小板薬選択のポイント」がケアネット上で公開されています。

http://www.carenet.com/report/series/cardiology/cvc/004/02/02.html
(要無料登録)

・抗血小板薬でおさえるべき薬理学的知識
・虚血性心疾患のエビデンス・ガイドライン
・脳卒中(非心原性脳梗塞)のエビデンス・ガイドライン
・末梢血管疾患のエビデンス・ガイドライン
・現時点における抗血小板薬の使い方の実際

の5点について整理しました,
ご興味があったら,お読みください。
a0119856_226306.png

by dobashinaika | 2016-02-05 22:08 | 虚血性心疾患 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


by dobashinaika

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29

カテゴリ

全体
インフォメーション
医者が患者になった時
患者さん向けパンフレット
心房細動診療:根本原理
心房細動:重要論文リンク集
心房細動:リアルワールドデータ
心房細動:診断
抗凝固療法:全般
抗凝固療法:リアルワールド
抗凝固療法:凝固系基礎知識
抗凝固療法:ガイドライン
抗凝固療法:各スコア一覧
抗凝固療法:抜歯、内視鏡、手術
抗凝固療法:適応、スコア評価
抗凝固療法:比較、使い分け
抗凝固療法:中和方法
抗凝固療法:抗血小板薬併用
脳卒中後
抗凝固療法:患者さん用パンフ
抗凝固療法:ワーファリン
抗凝固療法:ダビガトラン
抗凝固療法:リバーロキサバン
抗凝固療法:アピキサバン
抗凝固療法:エドキサバン
心房細動:アブレーション
心房細動:左心耳デバイス
心房細動:ダウンストリーム治療
心房細動:アップストリーム治療
心室性不整脈
Brugada症候群
心臓突然死
不整脈全般
リスク/意思決定
医療の問題
EBM
開業医生活
心理社会学的アプローチ
土橋内科医院
土橋通り界隈
開業医の勉強
感染症
音楽、美術など
虚血性心疾患
内分泌・甲状腺
循環器疾患その他
土橋EBM教室
寺子屋勉強会
ペースメーカー友の会
新型インフルエンザ
3.11
未分類

タグ

(40)
(28)
(26)
(24)
(24)
(23)
(21)
(20)
(20)
(19)
(17)
(17)
(16)
(13)
(12)
(12)
(12)
(12)
(11)
(10)

ブログパーツ

ライフログ

著作

もう怖くない 心房細動の抗凝固療法


プライマリ・ケア医のための心房細動入門

編集

治療 2015年 04 月号 [雑誌]

最近読んだ本

ケアの本質―生きることの意味


ケアリング―倫理と道徳の教育 女性の観点から


中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)


健康格差社会への処方箋


神話・狂気・哄笑――ドイツ観念論における主体性 (Ν´υξ叢書)

最新の記事

抗凝固薬の出血管理に関するA..
at 2017-12-07 00:47
”ワルファリン、使えてこその..
at 2017-12-01 00:06
2017米国高血圧ガイドライ..
at 2017-11-24 01:04
2017米国高血圧ガイドライ..
at 2017-11-20 00:24
抗凝固薬は心房細動患者の認知..
at 2017-11-06 23:28
新しいビタミンK阻害薬テカル..
at 2017-10-24 23:11
アジアの大規模リアルワールド..
at 2017-10-23 22:01
高齢者の抗血栓薬による血尿関..
at 2017-10-16 18:47
NOACとの併用で特に注意す..
at 2017-10-13 21:20
COMPASS試験に対するB..
at 2017-10-08 01:31

検索

記事ランキング

最新のコメント

> 山川玲子さん 山川..
by dobashinaika at 23:14
運慶展を観た方にWEB小..
by omachi at 19:45
> terryさん ご..
by dobashinaika at 08:38
簡潔なまとめ、有り難うご..
by 櫻井啓一郎 at 23:16
いつも大変勉強になります..
by n kagiyama at 14:39
土橋先生論文を分かりやす..
by ekaigo at 17:41
コメントありがとうござい..
by dobashinaika at 21:03
先生のブログ(共病記)を..
by 大西康雄 at 13:07
コメントありがとうござい..
by 小田倉弘典 at 18:40
コメントありがとうござい..
by dobashinaika at 18:35

以前の記事

2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 03月
2007年 03月
2006年 03月
2005年 08月
2005年 02月
2005年 01月

ブログジャンル

健康・医療
病気・闘病

画像一覧

ファン