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低リスクの人に抗凝固療法をすべきか?再論:TH誌

先日の「低リスク患者の抗凝固療法の総説」に関するエディトリアルです。
Stroke risk in atrial fibrillation: Do we anticoagulate CHADS2 or CHA2DS2-VASc ≥1, or higher? Nielsen et al
Thrombosis and Haemostasis
http://dx.doi.org/10.1160/TH15-02-0154


元の総説についてのブログはこちら
http://dobashin.exblog.jp/21017387/

このエディトリアルに興味深い表がのっています。
これを見るとたとえCHA2DS2-VAScスコア0点でも0.04〜2.4%と脳卒中発症率に結構な幅があるようです。
アウトカムの取り方や、対象が入院患者かコミュニティーか、血圧などの管理状況によってもかなり異なると思われます。
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またこの元論文のグラフを見ても、対象のセッティングによってCHADS2スコア、CHA2DS2-VAScスコアとも、かなり研究によってばらつきがあることが一目瞭然です。
これによれば日本の発症率は最下位レベルです。
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こういうのを読めば読むほど、リスク層別化の難しさを知らされます。

個人的には、何回も言いますが
・CHA2DS2-VAScスコア0点は真の低リスクとして投与しなくて良い
・2点以上はなるべく投与の方向
・1点の場合、年齢、血圧管理、血糖管理、喫煙、腎機能その他のリスクの併存などをより詳細に「考慮」して考える。特に低リスクの時は、スコアリングにあまり縛られず、脳卒中(動脈硬化)のさまざまなリスクを考慮、という方針です。

$$$自宅では本日桜開花宣言でした。
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by dobashinaika | 2015-03-31 23:06 | 抗凝固療法:適応、スコア評価 | Comments(0)

心拍数が早いほど心房細動は進行しやすい:Heart誌

Heart rate is associated with progression of atrial fibrillation, independent of rhythmFredrik Holmqvist et al
Heart doi:10.1136/heartjnl-2014-307043



目的:心房細動が持続化する予測因子はよく記述されていない

方法:
・スウェーデンのhe Outcomes Registry for Better Informed Treatment of AFを使用
・HATCHスコア、CHA2DS-VAScスコアを評価

結果:
1)発作性、持続性心房細動6325人

2)(持続性、永続性への)進行:1479例(追跡中央値18ヶ月)

3)進行した患者は進行しない患者に比べて
・高齢かつ合併症多い:CHADS2スコア2.3vs2.1, p<0.0001
・リズムコントロールよりレートコントロールが多い:66vs56%,p<0.0001
・高心拍数が多い:72vs68, p<0.0001

4)最強の予測因子:
・ベースラインの心電図:オッズ比2.30. p<0.0001
・高齢:オッズ比1.16, p<0.0001(10歳増加ごと)
・心拍数:オッズ比0.84,p<0.0001(心拍数80以下で10低下ごと)

5)ベースラインのリズムと心拍数は交互作用なし

6)HATCHスコアとCHA2DS-VAScスコアは心房細動の進行の中等度の予測能:C統計量0.55,0.55

結論:1.5年以内に、おおよそ1/4の発作性または持続性心房細動患者が永続性に進行する。進行は心拍数と年齢に強く依存。

### 以前のCARAF試験とは反対の結果のようです。ただしCARAF試験の対象は持続性で心拍数124と今回よりかなり早い症例ですが、今回はベースラインが洞調律の症例も多く含まれています。

心拍数を低く保っていたほうが発作性の心房細動でも持続性になりにくいことが示唆されますが、観察研究なので追試が待たれます。

$$$ 迷い込んだ黒猫
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by dobashinaika | 2015-03-30 19:08 | 心房細動:ダウンストリーム治療 | Comments(0)

「抗凝固薬を飲むにあたって」の患者さん向けパンフレット。ケアネットからダウンロードできます。

以前ご紹介した、抗凝固薬を内服する方への説明に使う「抗凝固薬を飲むにあたって(患者向けスライド)」(土橋内科編)ですが、ケアネットを通じて、全スライドダウンロードできるようになりました。
初日から、アクセス数好調のようです。

かなりわかり易い内容になっていますので、もしご興味のある方はダウンロードしてみてください。

http://www.carenet.com/slide
(要無料登録)
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by dobashinaika | 2015-03-27 18:11 | 患者さん向けパンフレット | Comments(2)

甲状腺機能異常のスクリーニングに関する推奨:AIM誌

Screening for Thyroid Dysfunction: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
Michael L. LeFevre et al
Ann Intern Med. Published online 24 March 2015


USPSTFから「甲状腺機能異常に関するスクリーニング」についての推奨が出ています

対象:非妊娠、無症候性の成人

推奨:なし、グレード:I(不十分なエビデンス)

リスク評価:
甲状腺ホルモンが増加するリスク因子:女性、高齢、白人、1型糖尿病、ダウン症、家族歴、甲状腺腫、過去の甲状腺機能亢進症、頭頸部の外部被曝
低TSHレベルの危険因子:女性、高齢、黒人、低ヨード摂取、既往、家族歴、ヨード含有薬剤(例アミオダロン)

スクリーニング試験:プライマリースクリーニングとしてはTSH。確定/除外のため3〜6ヶ月以上複数回施行すべき。TSHが常に異常値の場合のT4測定は、潜在性(正常T4)と顕性(異常TSH)の鑑別に有用

治療/介入:
甲状腺機能低下症は経口T4治療(レボチロキシン)。 TSH10未満の例に対する治療の最適介入のコンセンサスはない。
甲状腺機能亢進症の治療は、抗甲状腺薬(例メチマゾール)または不可逆的甲状腺アブレーション治療(例放射線ヨードまたは手術)。TSHレベルが測定不能または0.1未満の場合、とくに明らかなGraves病または甲状腺腫のある場合一般的推奨される

リスクベネフィットバランス:これまでのエビデンスは、非妊婦、無症候性成人の甲状腺機能スクリーニングに関するリスクベネフィットバランスを評価するには不十分

### 特に女性で、倦怠感、易疲労感を訴える場合、ときに甲状腺スクリーニングを行いますが、全く無症候の場合のリスクベネフィットは不明とのことです。するならTSH→異常ならFT4ですね。

今後もプライマリ・ケアの日々の診療に直結する記事を取り上げていこうと思います。

$$$ ようやく梅が満開です。
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by dobashinaika | 2015-03-27 18:03 | Comments(0)

体重の減少により心房細動は明らかに減少する:JACC誌

Long-Term Effect of Goal Directed Weight Management in an Atrial Fibrillation Cohort: A Long-term Follow-Up StudY (LEGACY Study)
Rajeev K. Pathak, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2015;():. doi:10.1016/j.jacc.2015.03.002


背景:体重減少の維持、程度、変動と心房細動との関連は知られていない

目的:肥満心房細動患者のリズムコントロールにおいて体重減少、体重変動の長期インパクトを評価する

方法:
・(オーストラリアの医療施設の)心房細動患者連続1415例のうち、BMI27以上の患者に体重管理を推奨
・除外基準適応後355人を対象
・体重減少カテゴリー:グループ1=10%超、グループ2=3〜9%、グループ3=3%未満
・年ごとに体重変動をフォロー
・7日間モニターによる心房細動重症度を規定

結果:
1)グループ間で患者特性に差なし

2)心房細動持続時間、症状重症度の減少度:グループ1>グループ2,3 (p<0.001)

3)不整脈なしの時間(抗不整脈治療の有無にかかわらない):グループ1>グループ2,3 (p<0.001)

4)体重減少、体重変動は、独立のアウトカム予測因子

5)10%長の体重減少は他のグループの6倍の不整脈フリー時間

6)5%以上の体重変動は不整脈再発リスクを2倍にすることで、上記リスクを相殺する

結論:長期間継続的な体重減少は心房細動減少と洞調律維持に明らかに関連あり。体重減少と体重変動の回避は心房細動の増加する負担減少の重要な戦略足りうる。

### おそらく同じグループから前駆研究がでています。
http://dobashin.exblog.jp/19106123/

減量方法はface-to-faceのカウンセリング、3ヶ月毎の振り返り、3ヶ月で3%未満の体重減少者には低カロリー食の提供という、かなり濃密なものです。また低強度の運動も推奨します。

結果の絶対値ですが、グループ1はAFフリー率が1年でも95%、2年でも90%以上、5年でも90%なのに対し、グループ2は5年で70%。グループ3は40%でした。

ただ注意したいのは、豪州のデータなので前の平均体重が各群とも約100kgです。

これまで不飽和脂肪酸などの効果は疑問符が打たれていましたが、スバリ「体重」そのものを落とすことが心房細動抑制につながることをしっかり示した点で興味深いです。

たしかに特に65歳前の若い方で心房細動になる方はメタボリック症候群の方が明らかに多いと思われます。こうした方に一生懸命抗不整脈薬や、はたまたアブレーションを勧める前に、ダイエットを勧めてみるのは一法だと再認識しました。なかなかに重要な論文だと思われます。

肥満と心房細動に関するブログはこちら
http://dobashin.exblog.jp/20149736/
http://dobashin.exblog.jp/11871112/
http://dobashin.exblog.jp/10759881/
http://dobashin.exblog.jp/15785257/

$$$ 今日のニャンコ。どこにいるか。。わかりますね。
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by dobashinaika | 2015-03-26 21:57 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)

デンマークの大規模コホートでは低リスク患者の脳卒中発症率は低くない:JACC誌

Oral Anticoagulation, Aspirin, or No Therapy in Patients With Nonvalvular AF With 0 or 1 Stroke Risk Factor Based on the CHA2DS2-VASc Score.
Lip GY et al
J Am Coll Cardiol. 2015 Mar 5


背景:リスク因子1個の心房細動患者に関する最適な治療についてのコンセンサスはない

目的:CHA2DS2-VAScスコア0,1点患者における抗凝固薬のインパクトと梗塞、出血リスクを評価する

方法:
・デンマーク市民登録システム、デンマーク国内患者登録、デンマーク国内処方登録
・CHA2DS2-VAScスコア1,2点で新規発症非弁膜症性心房細動のある退院患者39,400人
・無治療=23,572人、アスピリン5,353人、ワルファリン=10,475人

結果:
1)無治療患者の脳卒中リスク(ITT解析):0点(男)=0.49/100人年、1点(女)=0.47/100人年

2)上記患者の出血リスク:1.08/人年(1年)、0.97/100人年(フル追跡)

3)スコア1点追加後(男1点、女2点)脳卒中リスク:1.55/100人年、約3倍増加

4)上記患者の出血リスク:2.35倍、死亡リスク:3.12倍

結論:低リスク患者(CHA2DS2-VAScスコア0点(男)1点(女)は真の低リスク患者。1点追加で無治療の場合イベント率は明らかに増加(特に死亡率)

### デンマークの大規模登録研究を統合した、壮大な低リスク患者集団のメダデータ?です。登録期間は一番古い研究で1977年から、新しいのでも1995年からとかなり以前からのものです。高血圧合併率は32〜39%くらいのようです。

低リスク患者をどうするかが最近盛んに論文をにぎわせていますね。先日取り上げましたが以下の総説がよくまとまっています。
http://dobashin.exblog.jp/21017387/

CHA2DS2-VAScスコア裏付けとなった有名なデンマークの国内登録研究では、CHA2DS2-VAScスコア1点の入院及び血栓塞栓症死亡率は2.01%(1年)、10年追跡で1.45%でした。当然ながら上記結果と一致しています。
http://dobashin.exblog.jp/12036073/

一方、何回も引用しますが日本の代表的登録研究のプール解析では、CHA2DS2-VAScスコア1点でなんと0.93%です。
http://dobashin.exblog.jp/20541922/

日本の登録は、最近の登録であり、登録施設も循環器専門施設が多いからという説明でよいのでしょうか。大規模登録研究だと例えば血圧、糖尿病の管理状況や、診断自体の精度にも日本のものほど高くないことが予想されます。しっかりとした診断と基礎疾患の的確な治療がなされた場合、高血圧だけの方、糖尿病だけの方などは低リスクなのではないかとますます思えてきますが。。。。

やはり65歳〜69歳と70歳〜74歳で分けるとか、血圧管理良好群と不要群で分けるなど、CHA2DS2-VAScスコア1点をもう少し木目細かにリスク層別化したmodifiedスコアが必要に思います。そうすると簡便さが失われうわけですが。。

$$$ 散歩道でもようやく梅の花がほころび始めました。仙台は梅と桜が一緒に来る。本当なんですね。
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by dobashinaika | 2015-03-25 22:30 | 抗凝固療法:適応、スコア評価 | Comments(0)

ダビガトランの中和薬の健常人における薬物動態:TH誌

A randomised study in healthy volunteers to investigate the safety, tolerability and pharmacokinetics of idarucizumab, a specific antidote to dabigatran
S. Glund et al
Thrombosis and Haemostasis March 19, 2015


ダビガトランの中和薬Idarucizumabを健常人に投与した時の薬物動態に関する論文です。ベーリンガーインゲルハイム社からの発信です。

「Idarucizumabのや薬物動態プロファイルは迅速なピーク形成と消退を認め、薬力学的なパラメーターには影響しない。健常男性においては安全で忍容性あり」としています。

欧州と米国ではIdarucizumabの販売承認申請が出されたようです(まだ承認はされていません)。現在第III相試験が進行中とのことです。
http://www.boehringeringelheim.jp/news/news_releases/press_releases/2015/1501211.html

以前のブログです。
http://dobashin.exblog.jp/20471846/

臨床現場で活躍する機会は頻繁ではないかもしれませんが、NOACによる大出血例も報告がされてきていますので、あればより安心になると思われます。

$$$なごり雪です。なごり雪はたいてい降る時を知っていないかのように降りますね
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by dobashinaika | 2015-03-24 23:19 | 抗凝固療法:中和方法 | Comments(0)

ワルファリンによる高出血リスク例の遺伝子型による同定:Lancet誌

Genetics and the clinical response to warfarin and edoxaban: findings from the randomised, double-blind ENGAGE AF-TIMI 48 trial
Jessica L Mega et al
Lancet Published Online: 10 March 2015


背景:ワルファリンで出血リスクの高い患者の遺伝子による同定を評価。続いてワルファリンよりNOACがより少ない出血率を得られるのかを評価

方法:
・ENGAGE-AF-TIMI48登録患者
・サブグループにおいてCYP2C9とVKORC1の遺伝子変異を解析
・遺伝子型をnormal, sensitive, highly sensitive の3カテゴリーに分類

結果:
1)遺伝子解析施行:14,383例:ワルファリン4833例

2)ワルファリンの遺伝子カテゴリー:normal=61.7%、sensitive=35.4%、highly sensitive=2.9%

3)開始90日以内の抗凝固過剰時間(INR4.0超):normal=1.7%, sensitive=2.5%, highly sensitive=6.6%

4)出血リスク(ハザード比、対normal): sensitive=1.31, 95% CI 1·05–1·64, p=0·0179; highly sensitive=2.66, 95% CI 1·05–1·64, p=0·0179

5)遺伝子型は臨床的スコアを超えた独立した情報

6)エドキサバン群はワルファリン群に比べてsensitive, highly sensitive両群でnormal群よりも出血が少ない

7)90日後のワルファリンに比べたエドキサバンの出血リスク減少は、遺伝子型によらず同じ

解釈:CYP2C9 と VKORC1遺伝子型はワルファリンにより早期出血の同定する。このベネフィットはワルファリンよりもエドキサバンでより大きい

### おさらいですが、CYP2CPはワルファリンが肝臓でS-7- ヒドロキシワルファリンへと代謝されるときに登場する遺伝子型、VKORC1はビタミンKエポキシドがビタミンKに変わるところを主に促進し、ワルファリンで阻害されます。CYP2C9が少ないとワルファリンが増え出血が多くなります。またVKORC1が少ないとビタミン依存性凝固因子が少なくなり出血が多くなります。
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(拙著[プライマリ・ケア医のための心房細動入門]より)

ワルファリン感受性が高いVKORC1のサブタイプはアジア人に多いとされています。一方CYP2C9の遺伝子多型は日本人では少ないので投与量が欧米人より少なくてすむとも言われていますね。これらの遺伝子多型が前もってわかれば、ある症例ではワルファリンを避け迷わずNOACが使えることにつながるかもしれません。このことをRCT上の多数の臨床例で示した論文ということです。

一方、この論文のfundは開発した製薬会社ではありますが、たとえばワルファリンがより適した患者もわかるようになれば、やみくもにNOACということでなく、薬剤選択が大変適切になるように思います。

$$$ 本日、一瞬仙台も吹雪に見舞われたようになりました。まさに寒の戻り。
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by dobashinaika | 2015-03-24 00:17 | 抗凝固療法:ワーファリン | Comments(0)

無症候低リスク者への心電図、心エコーなどのスクリーニングはすべきでない:ACPのHigh-Value Care Advice

Cardiac Screening With Electrocardiography, Stress Echocardiography, or Myocardial Perfusion Imaging: Advice for High-Value Care From the American College of Physicians
Roger Chou, MD, for the High Value Care Task Force of the American College of Physicians*
Ann Intern Med. 2015;162(6):438-447


American College of Physicians(ACP)のHigh Value Care Task Forceから低リスク患者に対する心臓スクリーニングに関するHigh-Value Care Adviceがでています。

方法:システマティックレビューやガイドライン、この分野(低リスク患者の心臓スクリーニング)の論文に基づくナラティブレビュー

結果:
・心臓スクリーニングが患者アウトカムを改善することは示されなかった。スクリーニング後、偽陽性患者への不必要な検査や手技による潜在的な害がある
・冠動脈疾患の有病率の低く陽性検査陽性率の低い成人においては効果は特に少ない
・低い陽性率は意思決定に影響する
・このような患者では治癒しうる危険因子(喫煙、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満)の是正と運動の増加に焦点を絞るべき

High-Value Care Advice:
臨床医は無症候性の低リスク患者に、安静時心電図、負荷心電図、負荷心エコー、負荷心筋イメージングのスクリーニングをすべきでない


### 当院の所在する自治体では国民健康保険の健診項目に安静時心電図が必須となっていて、全例に行っています。こうしたことはすべきでないとの推奨です。

ナラティブレビューですので、ご意見番のご高説として聴くという感じでしょうか。

しかしたしかに、たとえば女性における非特異的ST-T低下、右脚ブロックなど、当院にも二次検査目的でご紹介いただくケースは少なくありません。こうしたケースに対するより侵襲的な検査が「潜在的害」とコスト上昇に寄与してしているのかもしれません。

$$$ 用事で東京日帰りでしたが、空き時間にフェルメールに会いに行きました。若冲と蕪村もはしごしましたが、さすがに時間がなく駆け足になってしまいました。若冲はまた別にゆっくり見たいですね。この二人、一見世界を忠実に描写していると思わせて、その実世界とか写実といったことを大胆にやすやすと超越しているところが似ているような気もします。フェルメールのほうがだいぶ真面目ですが
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by dobashinaika | 2015-03-22 23:32 | 循環器疾患その他 | Comments(0)

腹部大動脈瘤のスクリーニングに関するガイドライン:JAMA誌

Screening for Abdominal Aortic Aneurysm
Amber-Nicole Bird et al
JAMA. 2015;313(11):1156-1157


USPTFから腹部大動脈瘤のスクリーニングに関するガイドラインがでています。
日々の診療に直結する事柄ですので、まとめました。

<対象>
喫煙歴のある無症候性男性、65〜75歳

<主要な推奨>
・喫煙歴のある65〜75歳男性に対する1回のエコー(グレードB)
・喫煙歴のない65〜75歳男性に対する選択的スクリーニング(グレードC)
・喫煙歴のある65〜75歳女性のスクリーンングに関するエビデンスは希少(グレードI)
・喫煙歴のない女性のスクリーングはすべきでない(グレードD)


<臨床上の問題サマリー>
・腹部大動脈瘤の定義:前後径3cm以上
・50歳以上の一般住民対象のエコーと剖検によるスクリーニングでの有病率:男4〜8%、女1〜1.3%
・リスク因子:年齢、男性、喫煙歴、家族歴
・しばしば破裂するまで無症候性のことあり
・合併症発症率:75〜90%
・破裂のリスクは大動脈瘤の直径による:3〜3.9cm=年間破裂確率0%、4〜4.9cm=1%、5~5.99cm=11%
・緊急手術のアウトカムはpoor:入院及び30日死亡率は40%
・エコーは安全かつ費用対効果の良いツール:感度94~100%、特異度98〜100%

### なるほど、喫煙歴と性別で考えるわけですね。5cm以上だと破裂率は格段に上がりますね。あしたからカルテに65〜74歳喫煙歴ありの男性は一応チェック。

$$$ 散歩道沿いのお香専門店。先日発見。思わず入りたくなるいい感じのお店です。
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by dobashinaika | 2015-03-20 21:41 | 循環器疾患その他 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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