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ワルファリン管理が極めて良い場合の有効性安全性は非常に良い:TH誌

Safety and efficacy of well managed warfarinA report from the Swedish quality register Auricula
V. Sjögren et al
Thrombosis and Haemostasis 2月26日


疑問:ワルファリンが良好に管理された場合の脳梗塞と出血リスクはどの程度か?

方法:
・スウェーデンの全国登録Auricula
・プライマリー、専門医両方

結果:
1)77432人、100952治療機会(ワルファリン)、2006年1月〜2011年12月

2)心房細動68%

3)平均TTR:76.5%:INR2-3

4)大出血率:2.24%/年、血栓塞栓率2.65%/年

5)頭蓋内出血0.37%/年、心房細動では0.38%/年

結論:TTRの良好な集団でのワルファリンは安全かつ有効。NOAC時代においても打倒な妥当な治療として継続されるであろう。

### 以前も紹介したスウェーデンのAuricula研究
http://dobashin.exblog.jp/13632506/

TTRがものすごく優秀な集団ですね。77%です。
平均69.8歳、高血圧49.7%、脳梗塞の既往22.0%です。
TTRの算出方法の詳細が見当たらなかったのですが、個人ごとのようなニュアンスでした。スウェーデンはRE-LY試験のTTRも全世界でトップで77%でしたので同じ登録なのでしょうか。

ワーファリンの用量設定はdosing-systemを使ったとありますので、INRの変化に応じてアルゴリズムが決められているものかと思われます。

以前の紹介では頭蓋内出血のデータはなかったのですが、今回0,37%ということでROCKET AFのリバーロキサバン、ENGAGEのエドキサバン60mgより良い数字です。大出血もエドキサバン60mgと同等くらいで、ダビガトラン、リバーロキサバンより少ないです(もちろん対象は違いますが)。

非常に厳格にINRを管理すれば、本来NOACは要らないのかもしれません。ワーファリンを処方していてずーっと1年間INRが変わらないひともかなりいらっしゃいますが、そういう方はワルファリンで、やっぱり十分だろうと思います。

$$$ スウェーデン発の論文に敬意を表し、今日の1枚もスウェーデン発(レーベルはイギリス)。ピリスは震災前福島に来た時に聞いた月光が忘れられません。ハーディングは3.11の夜に東京で105人の聴衆を前にマーラーを振ったことでも有名です。2001年に仙台にも来てますね。
このアルバムの見開きには「クラウディオ・アバドに捧ぐ」と大きく記されていて泣けます。

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3&4番:マリア・ジョアオ・ピリス/ダニエル・ハーディング/スウェーデン放送交響楽団
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by dobashinaika | 2015-02-27 22:42 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)

ヨーロッパ心血管プライマリケア学会の心房細動脳卒中予防ガイドライン:EJPC誌

European Primary Care Cardiovascular Society (EPCCS) consensus guidance on stroke prevention in atrial fibrillation (SPAF) in primary care
FD Richard Hobbs et al
European Journal of Preventive CardiologyFebruary 20, 2015


ヨーロッパ心血管プライマリケア学会から心房細動における脳梗塞予防のコンセンサスガイドラインが出ています。
全パネルメンバーが同意するまで3サイクルのミーティングを繰り返して作成したものとあります。
プライマリケア医の実際に則した内容になっていますので、Practical recommendationsだけですが、これから逐次ご紹介いたします。

推奨度の表現として、"offer"は強い推奨(大多数の患者で利益が害を上回る)、"consider"はその次の推奨(多くの患者で利益が害を上回る)として用いられています。Offerは「勧める」「推奨される」、considerは「考慮する」と訳しました。

「心房細動において、脳卒中予防をおこなうかどうかをどう決定すべきか?」

<行われるべき脳卒中と出血リスクへの介入>
・心房細動の脳卒中リスク評価はCHA2DS2-VAScスコアのほうがCHADS2スコアより優れる。とくに抗凝固療法を思考しない人の同定いおいて。
・CHADS2スコアは簡便なので代わりに使っても良いが、CHADS2スコア、が1点以下の時はCHA2DS2-VAScスコアを用いて抗凝固療法の必要のない患者を同定すべきである
・CHA2DS2-VAScスコア0点の患者は抗凝固療法または抗血小板療法を勧められるべきでない
・CHA2DS2-VAScスコア2点以上の患者には抗凝固療法が勧められる。1点の患者には考慮される。いずれもリスクーベネフィットバランスを取った上で患者の好みに基づいて決定する
・次のステップとして、それぞれのリスク因子を改善することに注目することを目指す意味において、出血リスク評価にHAS-BLEDスコアが使われるべき
・HAS-BLEDスコアはCHA2DS2-VAScスコア2点以上の患者の抗凝固療法意思決定には使うべきではない。CHA2DS2-VAScスコア1点の患者の抗凝固療法のベネフィットバランスを考えるのに考慮されるべきである
・定期的に、少なくとも年1回、心房細動患者のリスク状況は、(年齢、新しい高血圧など)リスク因子の変化を再評価されるべき

<リスク評価(追加)>
・より実際的で強いリスク評価として簡便に年齢を考慮:65歳以上の女性、75歳以上男性ではCHA2DS2-VAScスコアの他のリスクを評価
・対照的に、65歳未満の人で追加リスクのない人は抗凝固療法の必要なし
・65歳以上で多くのリスク因子をもつ患者のリスク評価もすべき

### プライマリ・ケア医目線のガイドラインだけあって、実際的な印象です。やはりヨーロッパなのでCHA2DS2-VAScスコアに則っていますね。
抗凝固薬の選択のところも興味深いですが、少しずつアップしていきます。
メインの図はこちら
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$$$ 駐車場の看板を新しくしました 
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by dobashinaika | 2015-02-26 23:07 | 抗凝固療法:ガイドライン | Comments(0)

雑誌「心臓」で「臨床試験と実地臨床のギャップ」について書かせていただきました

日本心臓財団・日本循環器学会発行の雑誌「心臓」の特集「日本人における新規抗凝固薬の使い分け」で「臨床試験と実地臨床のギャップ:残された課題」と題して、いわゆるリアルワールドと大規模臨床試験の間に横たわるギャップについて述べさせていただきました。
もともと昨年の日本循環器学会で山下先生にご指定頂いたテーマです。一口にギャップと言っても3つある、それらを丹念に埋めていく作業こそ抗凝固療法であるということを主題にしています。

「ギャップ」ーそうなんです。抗凝固療法の世界だけ眺めてみても実際には「RCTとリアルワールドのギャップ」の他に実に様々なギャップが有ります。リアルワールドの中でもたとえば「開業医診療と病院診療のギャップ」「循環器内科医と神経内科医のギャップ」「薬剤師と医師のギャップ」「製薬企業と医療者のギャップ」「製薬企業間のギャップ」。。。。

そしてやはり「患者と医療者のギャップ」ですね。

医療というのはこうした様々なギャップを明らかにし、そしてそれを埋めていく作業ということができるかもしれません。その辺の作業の具体的なところを書きましたので、ご参照いただければ幸いです。

http://www.jhf.or.jp/shinzo/new_con.html

<月刊心臓 最新号>
ナンバー
2015年2月号 Vol.47 No.2
日本人における新規抗凝固薬の使い分け

HEART's Selection
日本人における新規抗凝固薬の使い分け        
企画:山下武志(心臓血管研究所)
1. 大規模臨床試験から日本人の特性を知る
堀 正二(大阪府立成人病センター 名誉総長)
2. 市販直後調査に学ぶ
髙橋尚彦 (大阪大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座)
3. 新規抗凝固薬使い分けのポリシー
三田村秀雄 (国家公務員共済組合連合会 立川病院)
4. 臨床試験と実地臨床のギャップ:残された課題
小田倉弘典(土橋内科医院)
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by dobashinaika | 2015-02-25 23:36 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

日本の医療施設における新規経口抗凝固薬服用中の頭蓋内出血の特徴:CJ誌

Intracranial Hemorrhage Caused by Non-Vitamin K Antagonist Oral Anticoagulants (NOACs)
– Multicenter Retrospective Cohort Study in Japan –
Naoki Saji et al
Curculation Journal 2月20日

背景:NOAC内服中の心房細動患者の頭蓋内出血における特徴を評価する

方法:
・日本の241の脳卒中センターへの質問票
・NOAC関連の脳出血の特徴を検討:血腫サイズ、血腫拡大、院内死亡率
・文献上のワルファリンによる脳出血例と比較

結果:
1)174施設から解答

2)67施設38.5%から130人の匿名データを入手:男67.7%、平均77.3歳

3)院内死亡率:11.5%

4)脳出血:87例

5)1/5は抗血小板薬服用

6)血腫拡大(NOAC vs. ワルファリン関連脳出血):17% vs.26%

7)死亡率:16% vs. 35%

結論:今回の質問に回答した脳卒中センターのディレクターの半数以上が、NOAC関連頭蓋内出血を経験していなかった。NOAC関連頭蓋内出血はワルファリンに比べて、血腫拡大と死亡率が低かった。

### 今回の87例におけるNOACの内訳はリバーロキサバン71.3%、ダビガトラン25.3%、アピキサバン3.4%でしたが、対象及びそこでも使用薬剤が異なるのでこの数字にはあまり意味は無いと思われます。

130人にプロファイルですが、高齢で血圧は平均158-85、eGFR39.6、CHADS2スコア平均3点とやはり高リスク例です。治療としては降圧療法が78.5%、PCC使用は10%にとどまっています。

RE-LYやARISTOTOLEでは頭蓋内出血を起こしてしまった例の死亡率はワルファリンと変わらないとの報告もありました。
それらを見ますと、アピキサバンでも頭蓋内出血例の死亡率は43.2%、ダビガトランでは20%であり、今回の報告よりかなり高い死亡率となっています。
日本の施設の治療法が良いのか、試験デザインや統計上の問題なのか、検討したいです。
http://dobashin.exblog.jp/20524093/
http://dobashin.exblog.jp/19965528/

### 寝る前はよくチェロを聞きます。スーッと体の重心が下がって落ち着く感じになるんですね。最近ではこの人のチェロがピカ一です。
ベートーヴェン : チェロとピアノのための作品全集:ジャン=ギアン・ケラス (チェロ), アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)
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by dobashinaika | 2015-02-25 18:58 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)

ワルファリン先行内服の有無はエドキサバンとの比較に影響するか:EHJ

Edoxaban vs. warfarin in vitamin K antagonist experienced and naive patients with atrial fibrillation
Michelle L. O'Donoghue et al
EHJ 2月16日


目的:ENGAGE AF-TIMI48試験患者の、ワルファリンナイーブと服薬経験者におけるエドキサバンvs.ワルファリンの有効性安全性の比較成績
を検討

方法:
・ENGEGE AF登録21105人
・追跡期間中央値2.8年
・主要エンドポイント:脳卒中/全身性塞栓症
・ビタミンK阻害薬(VKA)ナイーブ or VKA経験者(60日以上連続処方)

結果:
1)高用量エドキサバンの脳卒中/全身性塞栓症ハザード比(対VKA):
VKAナイーブ:0.71 (0.56-0.90)
VKA経験者:1.01 (0.82-1.24, P interaction=0.028)

2)低用量エドキサバンの脳卒中/全身性塞栓症ハザード比 (対VKA):
VKAナイーブ:0,92 (0.73-1.15)
VKA経験者:1.31 (1.08-1.60; P interaction=0.019)

3)高用量、低用量ともVKA先行の有無にかかわらず大出血は有意に減少:
P Interaction=0.90, 0.71

結論:心房細動患者において、エドキサバンはVKA経験者に比べてよりもVKAナイーブと比べるとでより大きな効果を示した。エドキサバンはVKAの先行にかかわらず、ワルファリンよりも大出血を有意に減らした。

### VKAナイーブのTTRは64.6%、VKA経験者のTTRは70.8%で、特に最初の90日のTTRはナイーブ43%、経験者59%です。またナイーブ患者よりも経験者のほうが高齢者が多く、脳卒中既往例やDM、高CHADS2スコアなど心血管系リスクが比較的高い患者だったようです。

内服開始60日以上からの症例ですので、導入当初の不安定な時期は考慮されないとしてもやはりVAK経験者のほうが、ハイリスクとはいえアドヒアランスに優れ、何かと「経験済み」ですのでアウトカムが良くなってしまうとも考えられます。

一方で、同様の検討が論文化されているのは、ダビガトランだけのように思いましたが、Editorialでのべられているように他のNOACの大規模試験の結果を一覧するとVKA経験者の定義、患者プロフィールの違いなどにより、必ずしも対VKAナイーブの人との比較のほうがより効果が大きいということもできないようです。

ワーファリン内服者でTTR良好な人ではNOACに変えることは少なく、新患の人は最初からNOACというパターンが多いと思われますが、上記のような様々な要素を考慮に入れる必要があり、Editorialでは必ずしもVKAの先行のみを意思決定の指標としないよう指摘していますね。

ダビガトランでの同様の検討です。
http://dobashin.exblog.jp/11752724/

$$$ 写真ネタが尽きたので、お気に入りの音楽から。
昔からクラシック音楽大好きですが、これは昨年の私的ベスト版。クラウディオ・アバドは2013年3月スイスでこの演奏をし、この年の秋には松島の地でコンサートを行うことになっていましたが来ること能わず、2014年1月にお亡くなりになっています。その意味でもこの演奏は特別の感慨を持って聞いてしまいます。私たちはたとえば明日まであれをして、そのためにはこれをして、といったように日々の生活上のこまごました「目的連鎖」の中で生きているわけですが、いっぽう良い音楽とか、良い映画、良い演劇とかに出会ったときは、ああ、私はこの感動を味わうために生きているんだ、と思う瞬間があるわけです。現代を生きるという事は、そうした輝く瞬間は二次的なことととらえられやすく、大半の人は日々の目的連鎖をあくせくしながら歩いているのかもしれません。そして年をとるとますます、その瞬間が輝くような経験から遠ざかるわけです。アルゲリッチとアバドは、そうじゃなくてやっぱり瞬間のはっとするような感動や経験にこそ「生」があるのだということを再認識させてくれます。とにかく音楽っていいなあとしみじみ思わせてくれる一枚。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&第25番:マルタ・アルゲリッチ/クラウディオ・アバド
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by dobashinaika | 2015-02-24 23:37 | 抗凝固療法:エドキサバン | Comments(0)

エリキュースの「使用上の注意」に「間質性肺疾患」を追加

 医薬品医療総合機構(PMDA)から2月17日、厚生労働省が抗凝固薬アピキサバン(商品名エリキュース錠2.5mg、同錠5mg)の使用上の注意で、重大な副作用に間質性肺疾患を追加するよう指示したとの発表があったようです。
http://www.info.pmda.go.jp/kaitei/file/20150217frepno2.pdf

それによると直近3年間で間質性肺疾患関連症例 23 例 (うち、因果関係が否定できない症例 7 例) で死亡 6 例(うち、因果関係が否定できない症例 0 例)の症例の集積があったとのことです。

m3.comなどの情報では「間質性肺炎」での追加が検討されましたが血痰を認める症例もあったことから「間質性肺炎」と限定できない病態を含んだ「間質性肺疾患」と記載されたようです。

リバーロキサバンも昨年1月にやはり「間質性肺炎」について注意喚起がなされています。ダビガトランでも市販直後調査で既に間質性肺炎の報告があります。こうした経緯は以前のブログにも書きましたので、ご参照ください。
http://dobashin.exblog.jp/19433038/

こうした市販後の注意喚起がでた時大切なのは、その頻度ではなく、どのような症例においてそうした重篤な症状が出たのかをきちんと把握することかと思います。イグザレルトの時は高齢者が多かったようですが、今回はどうなのか。はじめにどのような症状が出るのか。どのような経過をたどったのか。まだわからないことがたくさんありますので、わかりましたらまたアップしたいと思います。

前にも書いたように、NOACを飲んでいて、例えば不明熱とか、長引く咳などが出た場合常に念頭に置いて早めに対処することが大切だと思われます。

それにしても、またしてもワルファリンのエラさを考えずにいられません。ワルファリンはこれだけの歴史がありながら、間質性肺炎の副作用を大きく扱われたことはないと思いました。

$$$10日前にあった落とし物。まだありました。不憫です。
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by dobashinaika | 2015-02-23 23:57 | 抗凝固療法:アピキサバン | Comments(0)

久しぶりの勉強会

21日(土)は、実に半年ぶりに心房細動関連の勉強会に参加させていただきました。しかも大阪。

病気して以来、学会や勉強会はほとんど出かけていなかったのですが、ようやく年が明けた頃から人前で話せるくらいの体力が湧いてきました。

今回は関西の主要な医療機関の循環器内科、脳神経外科、神経内科からそうそうたるお名前のエキスパートの先生方と楽しくディスカッションさせていただき、また大いに勉強になりました。

やっぱり日々患者さんの診療に精力的にあたられている先生から話を聞くのは大いに刺激になります。アブレーション時の抗凝固薬の使い方、PCI後の抗血小板薬と抗凝固薬の併用、NOAC使用時の脳出血への対処、心原性脳塞栓症予防のための抗凝固薬使用等々について、非常に実践的なお話を聞くことが出来ました。

NOACが登場して4年が経ち、一時の熱狂的?な雰囲気が冷め、各薬剤の適応や使い分けについては、ある程度のコンセンサス(とまでは行かないかな)ができつつある時期に移ってきているように思います。しかしながら、アブレーション時、PCI後、出血時(中和)といった特殊でありかつよく遭遇する問題については未だに各医療施設で手探り段階であるという印象をもちました。

アブレーションの時にせよ、PCI後にせよ、あるいは出血時でも、ワルファリン時代には投薬をどう変えるか、あるいは中止するか、そしてどう再開するか、個々の患者さんごとに非常に厄介な場面に遭遇することも多々ありました。NOACがそうした課題を一掃してくれるだろうと期待していたわけですが、やはりそううまくは行かなくて、それなりに使い方には現場での工夫や苦悩が欠かせないわけです。現時点はある意味過渡期であり、各場面でNOACも含めた抗凝固薬をどう使ったら良いか、あるいは使わないほうが良いのはどんな時かについて一定のコンセンサスが確立されるまでには、あともう少しという感じを持ちました。

若い時に短期間ではありますが研修した大阪で、この歳になって勉強する機会ができ、当時一緒だったなつかしい先生方とゆっくり話をすることができ、非常に感慨深いものがありました。

伊丹空港でいつも買って帰る551の豚まんが都合で買えなかったことだけが心残りでしたねえ。
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by dobashinaika | 2015-02-22 22:46 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)

リバーロキサバンの現実世界での継続性:Europace

Drug persistence with rivaroxaban therapy in atrial fibrillation patients—results from the Dresden non-interventional oral anticoagulation registry
Jan Beyer-Westendorf et al
Europace 2月18日


目的:NOACの登録研究からリバーロキサバンの継続性を評価する

方法:
・2600例以上のNOAC使用患者の登録研究
・投与から最初のイベントまでの時間を解析
・リバーロキサバン中止理由を解析
・2011年10月〜2014年4月

結果:
1)全1204例(平均75歳):ワルファリンからのスイッチ39.3%、新規60.7%

2)リバーロキサバン中止率:223例、18.5%(平均追跡544日)

3)中止率:13.6% (11.8-15.4)/人年

4)中止理由:出血30%、他の副作用24.2%、安定した洞調律9.9%

5)心不全の既往 (HR1.43)、糖尿病 (1.39)が中止理由の独立危険因子

6)中止後:抗血小板薬31.8%、ワルファリン24.3%、他のNOAC18.4%、ヘパリン9.9%、なし15.7%

結論:我々のデータではリバーロキサバン全体としての継続性は高い。初年の中止率は15未満で追加の中止も少ない。

### このレジストリーの結果(大出血)は既にでていますね(ブログにはしませんでした)。
http://www.bloodjournal.org/content/124/6/955?ijkey=77f918c0eb5fe715be8f3f6ad38effa309f53431&keytype2=tf_ipsecsha&sso-checked=true

リバーロキサバンでは他に以下のリアル・ワールドデータも有ります。
http://dobashin.exblog.jp/19930247/

先日のFDAからの肝障害が気になったのですが、この報告では肝逸脱酵素上昇は2例で0.9%のみとのことです。
http://dobashin.exblog.jp/i32

継続率80%以上は抗凝固薬としては高い方かもしれませんが、やはり年間10%以上は続けられないのです。一度大出血をきたすと、特に高齢者ではやはりアスピリンか何も出さないということになってしまうのかもしれません。出血したあとの抗凝固をどうするか。こればかりは本当に個別の文脈に依存すると思います。

$$$ 伊達政宗の命で作られた四ツ谷用水。当院のすぐ裏を流れているのですが、医学部の裏手を通っていたのですね、最近知りました^^
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by dobashinaika | 2015-02-19 23:34 | 抗凝固療法:リバーロキサバン | Comments(0)

ナットウキナーゼ

患者さんから「先生、ワーファリン飲んでるひとでも納豆を食べて良くなってたんですね」と、弾んだ声で尋ねられました。
新規経口抗凝固薬のことかなと思って説明しようとしたら、この新聞広告をお見せいただきました。

健康食品のようですね。この食品自体の血栓塞栓症予防効果としてのエビデンスについては不勉強ですので調査中です。

ちょっと紛らわしかったんですね。本物の納豆とは別のものだということをよく説明しました。
サラサラ体操はやってみてもいいですが^^
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by dobashinaika | 2015-02-18 22:34 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

アジア人でCHA2DS2-VAScスコア1点は抗凝固薬の適応か:JACC

Should Atrial Fibrillation Patients With 1 Additional Risk Factor of the CHA2DS2-VASc Score (Beyond Sex) Receive Oral Anticoagulation?
Chao TF et al
J Am Coll Cardiol. 2015 Feb 24;65(7):635-42


疑問:アジア人に、CHA2DS-VAScスコア1点は抗凝固療法の適応はあるのか?

方法:
・台湾のNational Health Insuranceデータベース
・心房細動186,570例、抗凝固薬、抗血栓薬非処方例
・CHA2DS-VAScスコア1点男性及びCHA2DS-VAScスコア2点女性につき検討
・エンドポイント:虚血性脳卒中

結果:
1)CHA2DS-VAScスコア1点男性の虚血性脳卒中:年2.75%(平均追跡5.2年)

2)CHA2DS-VAScスコア1点男性の各項目別リスク:血管疾患1.96%/年、65〜74歳3.50%/年

3)CHA2DS-VAScスコア2点女性の虚血性脳卒中:年2.55%

4)CHA2DS-VAScスコア2点女性の各項目別リスク:高血圧1.91%、65〜74歳3.34%

結論:CHA2DS-VAScスコアの各スコアすべてが同じ重みではなく、65-74歳が最高リスクだった。CHA2DS-VAScスコア1点の患者には抗凝固薬が考慮されるべき

### 昨年のESCに発表されていたデータの脳梗塞の方だけの報告です。平均年齢は男女とも59.1歳と若い集団です。

以前のブログでまとめた日本のJ-RHYTHMレジストリーではCHA2DS2-VAScスコア1点の血栓塞栓症発症率は0.9%でした
ので、やはり日本のデータはかなり低いことになります。
http://dobashin.exblog.jp/19951989/

改めて日本の登録研究はかなり低い発症率だったことがこの研究からも実感されます。

65歳ー74歳というのが一番ハザード比が高いことで、やはり65歳から抗凝固薬を考えなければならないのでしょうか。個人的には前から述べているのように65〜74歳を65〜69歳と10〜74歳にさらに細分化した研究を誰かしてくれないかなあと思うのですが。65サイト74歳ではだいぶリスクが違う気がします。細分化し過ぎかもしれませんが。。
by dobashinaika | 2015-02-18 22:14 | 抗凝固療法:適応、スコア評価 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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by dobashinaika at 18:34
はじめまして 心房細動..
by 患者目線 at 08:36
脳梗塞を起こしているから..
by 心配性 at 06:36

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