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高感度トロポニンTは心房細動患者のリスク層別化に有効:ARISTOTLE試験より

J Am Coll Cardiol 9月19日 Epub ahead of print

High Sensitivity Troponin T and Risk Stratification in Patients with Atrial Fibrillation during Treatment withApixaban or Warfarin.

【疑問】高感度トロポニンTは心房細動患者のリスク層別化に使えるか

P:ARISTOTLE試験登録患者

E/C:高感度トロポニンTレベル

O:脳卒中/全身性塞栓、追跡1.9年

【結果】
1)75%の人は7.5 ng/L以上、50%の人は11.0 ng/L、25%以上の人は16.7 ng/L

2)脳卒中/全身性塞栓(年):最低4分位=0.87%、最高4分位=2.13%。ハザード比1.94,p=0.0010

3)心臓死(年):最低4分位=0.46%、最高4分位=4.24%。ハザード比4.31,p<0.0001

4)大出血(年):最低4分位=1.26%、最高4分位=4.21%。ハザード比1.91,p=0.0001

5)高感度TnTをCHA2DS2-VAScスコアに追加するとC統計量は0.620→0.635に上昇(p=0.0226)

6)アピキサバンは高感度TnTレベルにかかわらず、脳卒中、死亡率、出血を減少させた。

7)高感度TnTレベルは心房細動患者でしばしば上昇していた

【結論】高感度TnTは脳卒中、死亡率、出血リスクに関係しており、CHA2DS2-VAScスコアのリスク層別化能をより向上させた。
ワーファリンに比べてのアピキサバンの利益は高感度TnTレベルにかかわらず一定

### 急性心筋梗塞の急性期診断に用いる高感度TnTですが、第2のBNPとして心疾患の予後評価に使えることが期待されていますね。
アリストテレス試験のついでに行ったようなサブ解析ですが、BNPと比べてどうなのかも知りたいですね。
脳卒中のハザード比やC統計量には大きな影響は与えていないようです。

関係ないけど TnT って顔文字にしても面白いかも(K先生情報)。
by dobashinaika | 2013-09-30 18:30 | 抗凝固療法:アピキサバン | Comments(0)

抗凝固薬の出血のリスク評価はHAS-BLEDスコアを使うべき;T/H誌より

Thrombosis and Haemostasis 9月19日オンライン版より

Comparison of the CHADS2, CHA2DS2 -VASc and HAS-BLED scores for the prediction of clinically relevant bleeding in anticoagulated patients with atrial fibrillation: The AMADEUS trialhttp://dx.doi.org/10.1160/TH13-07-0552


【疑問】CHADS2スコアやCHA2DS2-VAScスコアは出血リスクスコアとしても使えるか?

【方法】
・AMADEUS試験の登録患者対象:リスク1つ以上のNVAFで長期ビタミンK阻害薬服用者
http://www.ebm-library.jp/att/detail/61473.html

・「臨床的に意義のある出血」に焦点を当てHAS-BLEDスコア、CHADS2スコア、CHA2DS2-VAScスコアのそれぞれのAUC曲線とNet Reclassification Improvement (NRI)を算出
・平均追跡期間429日

【結果】
1)2293人中に51人11%に出血あり

2)各スコアとも、点数上昇とともに出血イベントは上昇したが統計的に有意だったのはHAS-BLEDのみ(p<0.0001)

3)HAS-BLEDスコアだけが、出血を識別する明らかなパフォーマンスを有していた;AUC0.6, p<0.0001

4)HAS-BLEDスコアはCHADS2スコア(P=0.001)、CHA2DS2-VAScスコア(P=0.04)mに比べ有意に良好なNRIを示した

【結論】HAS-BLEDスコアは臨床的に意義のある出血の評価において、有意に優れていた。出血の評価にはHAS-BLEDを用いるべきであり、脳卒中のリスクであるCHADS2スコアやCHA2DS2-VAScスコアを用いるべきではない。

### HAS-BLEDは「出血の既往」や「INR不安定」「抗血小板薬併用」などが入っているので、当然かもしれません。
「INR不安定」はNOACでは使えないので、そこをどうにかしてほしいとも思います。

あと、何故か同じグループからほとんど同様の内容のペーパーがJACCにも報告されています。HAS-BLEDスコア浸透作戦でしょうか?
http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=1738857
by dobashinaika | 2013-09-28 00:23 | 抗凝固療法:適応、スコア評価 | Comments(0)

2005.4.1フルスタバックスクリーンへの放物線から9年の「おらたち熱いよね!」:イーグルス優勝

2005年4月1日、春雪舞い降りんばかりのフルキャストスタジアム宮城。1回裏第1打席、キャプテン礒部の打球の描く放物線は、古典物理の数式をも連想させるような完璧な軌跡を描いてセンターバックスクリーンに飛び込んだ。数日前に喫した0−26の記録的大敗を払拭するかのように。

以来9年、突然の解雇劇直後のロッテ応援席からの田尾コール、ホセ、山崎の1イニング2満塁本塁打、山崎のヘッドスライディング、クライマックスシリーズでの福盛の逆転満塁被弾、3.11後の開幕遅延、田中の世界記録などなど、今にしては走馬灯のように去来する様々な鮮やかな場面を経て、本日ここに、頂点に立った。

遅かったのか、早かったのか、そうした評価は後日余人が下すであろう。

「100敗は確実」「がんばれベアーズも真っ青」と揶揄された地方一球団が、とにかくリーグの頂点に登り詰めたのである。

生きている間にこの歓喜の瞬間に出会えたすべてのめぐり合わせに感謝したい。

今日はとにかく、ひたすら、歓喜の酒に酔いたい。
願わくば、すべての頂点に立つことを夢想して。

###と、このような感傷的な文章を50絡みの中年に書かせるほどに、long&winding road があったと言うことですね。今日は何も言うことはありません。
9.26のおらたち、熱いよね!を胸に幸せに眠ります^^

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by dobashinaika | 2013-09-27 00:15 | 開業医生活 | Comments(0)

新規抗凝固薬をどう使い分けるか:エビデンスはコンビニエンス、プリファランスを上回れるか?

BIO Clinica 10月号特集「新規抗凝固薬」に”新規抗凝固薬をどう使い分けるか-循環器実地医家の立場から-”と題する拙文を掲載させていただきました。
東北大学加齢医学研究所の堀内久徳先生からご推薦です。

http://hokuryukan-ns.co.jp/magazines/archives/2013/09/bio_clinica2013_11.html

新規抗凝固薬の使い分けについては、業界では最も注目を集める話題ではあろうかと思いますが、個人的にはそれほど大きな問題ではないと考えています。現時点では、当院では未だにワルファリンを服用している患者さんが半数以上おられますし。

巷では、新規抗凝固薬第1選択で「ワルファリンは人工弁などに限定」のような雰囲気が醸成される気配ですが、”ワルファリンか新規抗凝固薬か”のほうが、現時点ではまだまだ大きな問題だろうと思われます。その意味で後藤信哉先生の言説はいつもながら興味深く拝読させていただきました。NOACでなくDirect oral AntiCoagulant:DOACという言葉を提示されつつこれらの略語を使うことを戒めておられます。

新規抗凝固薬の使い分けを問われれば、毎度のことながら、この意思決定のフレームワークで考えます。
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すなわち薬剤特性(禁忌)を大前提として考え、その後エビデンス、患者の好み、医師の専門性の3要素のどれをどのように優先させるかを患者とともに考えていくという姿勢です。

そして私の新規抗凝固薬使い分けの各論的スタンスは以下です。
1)まず薬剤特性の前提として腎機能を真っ先に考える。CCr30以上に用いる。(使い慣れていない医師は50以上から)

2)医師としては、クリニカルエビデンスをやはり第一に考えたい。なぜなら予防医学であり、先人のデータを未来予測につなげて考えられるのは、まず第一に医師であるから。特にサロゲートマーカーのない新規抗凝固薬を使う場合は頼りはエビデンスしか存在しない。

3)しかしながらエビデンス、とくに3剤比較のエビデンスは希薄。直接比較が存在せず。間接比較は媒介となるワルファリン群の背景やINR管理状況が大きく異なっており、解釈が難しい

4)その上で、3剤各試験の有効性、安全性の評価を、ワルファリン群との相対比較及び絶対比較で考える。

5)出血リスク、腎機能などをキーワードに細かな使い分けを考える

6)おおまかに出血リスクの低いひとはダビ150、高いひとはダビ110かアピ、CCr30~50はアピが考えられる。

7)医者の使用経験やモニタリングを重視するならダビを考える

8)上記のように考えて患者に勧めるが、1日1回のメリットが強い患者、例えば飲み忘れやすいひとや、そのほうが飲みやすいと希望する人にそれを覆してまで推していくだけのエビデンス構築は、今のところない。そのような人にはリバーロを選ぶ。

たとえばカルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、ARB間の使い分けを有効性のエビデンスで行っている医師は少ないと思われます。医師の使いやすさ、1日1回か2回か、あるいは薬剤特性などを最優先で選ぶはずです。CCB間、ACE間、ARB間の比較エビデンスはNOAC同様少ないです。あったとしても患者の好み、医師の専門性を覆すパワーはないでしょう。それだけどの薬もあまり差異はないといえます。NOACのほうがその点、ワルファリンという媒介によりある程度の間接比較はできるのではないかと思われます。
しかしそれとて、「飲みやすさ、使いやすさ」=コンビニエンスにまさる地位が保証されているとは言いがたい。現時点では比較のエビデンスはコンビニエンス、プリファランスに劣るとも勝らないと言えるかもしれません。

なお本文後半で、「75歳未満の患者ではダビガトラン150mg」とありますが、添付文書によれば「70歳未満の患者」です。この場で訂正いたします。
by dobashinaika | 2013-09-25 23:54 | 抗凝固療法:比較、使い分け | Comments(0)

医者は患者のQOLを、患者自身の評価よりも高めに評価している:心房細動患者の研究より

American Heart Journal 9月号より

Predictors of discordance between physicians' and patients' appraisals of health-related quality of life in atrial fibrillation patients: Findings from the Angiotensin II Antagonist in Paroxysmal Atrial Fibrillation TrialAm Heart J 2013;166:589-596.

【疑問】心房細動患者の健康関連QOLの見積もりにおいて、医療者と患者の差を決定するものは何か?

【方法】
・対象患者:ANTIPAF試験(ドイツ)に登録された明らかな器質的心疾患のない心房細動430人のうち健康関連QOLを測定しえた334人
・対象医療者:同試験に携わった医師全員
・患者QOL:SF-12で評価
・医療者が推測する患者QOL:SF-8で評価
・両評価法共8つの健康ドメイン、身体的スコアと精神的スコアから成り立つ
・精神的変数:うつ、睡眠障害など:0〜50点で評価
・身体的変数:肥満、糖尿病、高血圧、心不全など:10〜60点で評価
・(患者点数ー医療者点数)を評価:負であれば医療者が(患者QOLを)過大評価。正であれば過小評価

【結果】
1)医療者が考える患者のQOLのほうが、患者自身が考えるQOLより高く見積もられた
精神面:-3.23. P<0.0001。身体面:-2.21. P=0.0001

2)身体的不活発は身体的評価の不一致に最も関係した

3)うつは精神的評価の不一致に最も関係した

4)回帰分析では、うつが身体的、精神的両者において最も関与する因子5)睡眠障害も両評価に関連あり

【結論】心房細動患者において、心疾患がない場合でさえ、うつとそれに伴う睡眠障害及び身体的不活発が、患者ー医療者間の不調和に明らかに関連していた。治療法決定の際には医療者はこのことをよく考えるべき

### 個人的には最近で最も興味深い論文です。
医者は患者のQOLを、患者さんが思うよりも良いと考えている。特にうつと身体的に不活発なひとのQOLを、患者さん自身よりもいい方に評価してしまっている。

私自身の診療を顧みても、非常に納得の行く、もとい身につまされるポイントを指摘されていると思います。

患者さんは、医者が思っているより事態を深刻に受け止めているわけですね。また患者さんは、医者の前では自分が感じている深刻さを、やや隠して(あるいは軽く)訴える傾向があります。これはドイツの研究ですが日本であれば、もっとその傾向は強いように思われます。

患者さんの訴えの裏には、もっと深刻な症状があるかもしれない。我々は常にそのように考える必要があります。

また、その背景にうつや、睡眠障害、身体的不活発の存在があることも納得です。このような因子を十分評価しながら、患者さんの訴えを聞く必要があります。

Limitationとしては、QOL点数評価が医者ー患者で同一基準ではないこと(同一の質問は無理ですので致し方ないですが)、医療者の特定が明らかでないことなどがありますね。
by dobashinaika | 2013-09-24 23:46 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(1)

日経メディカルオンライン連載「カテーテルアブレーション、受けるべきでしょうか?」更新いたしました

日経メディカルオンライン連載中の「プライマリケア医のための心房細動入門」本日更新致しました。

今回は、第14回”カテーテルアブレーション、受けるべきでしょうか?”です。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/odakura/201309/532451.html
(無料登録が必要です)

現時点での心房細動アブレーションに関するリスク・ベネフィットと意思決定について、書かせていただきました。
今回は超大作です。

ご参考になれば幸いです。
by dobashinaika | 2013-09-24 14:01 | 心房細動:アブレーション | Comments(0)

ビタミンK阻害薬に比べ、リバーロキサバンの安全性はどうか?:ACP journal clubより

ACPジャーナルクラブでリバーロキサバンのメタ解析がでていますので、紹介します。

Review: Rivaroxaban causes less fatal bleeding, but does not reduce mortality, compared with VKAs

【疑問】ビタミンK阻害薬に比べ、リバーロキサバンの安全性は?

【方法】
・5RCTのメタ解析
・23063例、56〜73歳
・平均観察期間:84〜707人
・心房細動62%、急性症候性肺塞栓21%、深部静脈血栓17%

【結果】
・リバーロキサバンはVKAに比べ致死性出血のリスクを減少させた
・全死亡や他のアウトカムに差はなかった

【結論】リバーロキサバン服用者は致死性出血は少ないが、全死亡や大出血に差はない


【Commentary】
・この結論に関する合理的な説明としてはROCKET-AF試験において述べられている通リ、頭蓋内出血は少なかったが、消化管出血が多かったからと考えられる
・ワーファリンに比べて1人の致死性出血を減らすためには約500人必要(84〜707日)
・ここまでのデータでは、臨床的妥当性や、診療上の行動変容を起こすまでに至らない
・このメタ解析の結果は、各トライアルの結果を検証するものだが、リバーロキサバンとダビガトランの出血に関する早期リポートの結果は、リアルワールドのデータによる検証はされていない

### 特に新しいことはないですが、心房細動以外の疾患も対象にしたRCTを含むメタ解析です。消化管出血はJ-ROCKET AFでは少ない傾向にあったようですね。死亡率を改善させたのは今のところアピキサバンのみで、ダビガトランも予後改善は示されていませんね。
by dobashinaika | 2013-09-23 00:04 | 抗凝固療法:リバーロキサバン | Comments(0)

本日、日本医療薬学会のランチョンセミナーで講演します

本日(21日)、第23回日本医療薬学会ランチョンセミナーで「リスクマネジメントの視点からみた抗凝固薬の考え方・使い方」という演題名で講演させていただきます。
薬剤師の先生方でもし、ご興味がありましたらお越しいただければ幸いです。
(今回のセミナーでの講演料は頂いておりません)

http://23jsphcs.jtbcom.co.jp/ranchon.html
by dobashinaika | 2013-09-21 08:45 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

心房細動アブレーションを受けた人の脳卒中発症率は心房細動がない人と同じ:多施設登録研究より

Heart Rhythm 9月号より

Atrial fibrillation ablation patients have long-term stroke rates similar to patients without atrial fibrillation regardless of CHADS2 score
Heart Rhythm 2013;10:1272–1277


【疑問】心房細動アブレーションにより脳卒中は減るのか?

E:心房細動アブレーションを受けた連続4212人

C:年齢性別をマッチさせアブレーションを受けない心房細動患者16,848人および心房細動のない16,848人(介入群の4倍)

O:脳卒中発症率

T:多国、多施設登録研究。追跡最低3年

【結果】
1)全平均年齢65.0±13歳

2)脳卒中の既往:アブ群4.5%、アブなしAF群6.3%、非AF群4.4% (P<0.0001)

3)CHADS2スコアの分布:3群で同様

4)年齢別脳卒中率:全年齢層でアブなしAF群>アブ群
60歳未満:3.6%vs1.3%
60代;5.6%vs2.9%
70代:8.7%vs3.8%
80歳以上:8.6%vs5.8%

5)CHADS2スコア別脳卒中率:全スコアでアブ群が最も低い
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【結論】本研究の対象においては、CHADS2スコアにかかわらずアブレーションを受けた患者が受けない患者に比べて明らかに脳卒中リスクが少なかった。

### 「カテーテルアブレーションが脳卒中を減らすか?」
この疑問に答える研究は、たとえば以下の様な限定的な研究しか知りませんでした。
Heart. 2012;98:48-53.

今回その誰もが知りたい問に対して、大きな規模で一定の答えを出した初めての研究といえるかもしれません。
結果を見ますと、心房細動が初めから無い人と同等の脳卒中発症率になります。これだけ見るとアブレーションはやはりすごい治療のようにも思われます。

ただしもちろんlimitationあり。
1)登録研究なので、交絡因子はいっぱいある。たとえばアブなしAF群で脳卒中既往例が有意に多い
2)AF群の抗凝固療法の状況が不明
3)多国籍共同登録なので、診断基準、治療状況にばらつきのある可能性あり

アブレーション推し(そんなのあるのか?)にとっては朗報かもしれません。私の態度は前向き試験(CABANA)結果待ち。
by dobashinaika | 2013-09-19 23:16 | 心房細動:アブレーション | Comments(0)

患者教育によりワーファリンの管理は有意に改善する

PLoS One. 9月9日付けオンライン板より

Educational Intervention Improves Anticoagulation Control in Atrial Fibrillation Patients: The TREAT Randomised Trial doi: 10.1371/journal.pone.0074037

【疑問】患者教育でTTRは良くなるか?

P;ワーファリンナイーブ患者97人

E:理論に基づいた教育介入を行った患者:インタービューとフォーカスグループ。グループセッションは1−6人の患者で、DVD、ブックレット、自己モニター日記、ワークシートを使用

C:通常のケア

O:TTR(一次)、知識、QOL、不安・抑うつ、医療への信頼、病気の見通し

T;無作為割付

【結果】
1)介入群:46例、年齢72.0歳、男67.4%、対照群:51例、73.7歳、男62.7.%

2)TTR :介入群76,2%vs. 対照群71.3% ;p=0.035、12ヶ月後も同じ傾向

3)知識;両群とも、有意に増加。両群間で差はない

4)6ヶ月後の知識スコアはTTRを予測しうる(r=0.245;p=0.04)

5)一般的な害と過量投与に関する理解力などに関する患者のスコアは、心房細動に対する抗凝固療法の必要性の認識と同様、TTRを予測する因子である

【結論】理論に基づいた教育介入は、ワーファリン開始患者の6ヶ月後のTTRを明らかに改善した。有害事象は、ワーファリンの必要性への理解や、副作用に対する懸念の払拭により減少する可能性がある。心房細動の患者に対する教育的準備を改善させることは、効果と安全性を高めるために不可欠。

### 教育によりTTRが76%にもなるとはすごいですね。ただ通常の説明でもTTR70%程度で結構いいようです。TTR79%で、ダビガトラン150と同等の有効性を持つと言われていますので、教育をがっちりやれば、ワーファリンでもOKという感じでしょうか。70歳以上の目標INRが低めな日本だともっとTTRが良くなる可能性もありますし。

ただ教育でTTRが良くなるということは、教育しないと飲み忘れ、飲みまちがい、併用薬剤や食べ物の影響がかなりあるということを意味します。TTRがこれほど変化するくらい、アドヒアランスが教育で改善するのでしょうか?それとも元々良くないのか?

医師の決めたワーファリン投与量が、最もTTRを左右するようにも思いますが。平均年齢72歳というところが絶妙という気もします。よりご高齢での方ですと、教育がどの程度有効かはまた違う結果が出るようにも思います、
by dobashinaika | 2013-09-18 19:04 | 抗凝固療法:ワーファリン | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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