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真の外来看護とは?~健康増進外来について講演しました~

昨日(7月28日)は宮城県保険医協会主催の第17回地域医療懇談会に講師として参加し、「健康増進外来-診療所外来看護の新しい試み-」と題して、話題提供をいたしました。健康増進外来は、岩手県藤沢町の国民健康保険藤沢町民病院で行われている外来のコンセプトを踏襲し、糖尿病患者さんを対象にした、完全予約、1時間たっぷりの外来診療です。解説に至った背景や概要は以前保険医協会の新聞に投稿いたしております。

まだまだ実施したばかりで試行錯誤の連続ですが、得るところも多く、いろいろな方からのご批判、ご意見をお伺いしたいと考え、懇談会に臨みました。看護スタッフの教育や時間の取り方などにつき質問が出され、私にとっても大変参考になりました。

今、私が夢描いているのは、何とか外来の患者さんに対しても、看護過程に基づくアセスメント、看護診断、看護計画、看護の実施、評価のサイクルを実施したいということです。入院患者の場合は全国どこの病院でも看護計画を作成し、実施し、その評価を行っています。それを外来、特に診療所の外来で行えないということはないと思います。患者さんの生活習慣、家庭環境、職場環境、そして心理的内面をアセスメントし、そこからそれに見合った診療計画を立て、医師看護師共同で医療看護に当たる。。。まさにそれこそが診療所の外来でしかできない、看護過程の展開だと思います。上記の看護過程はそのまま医師の医療行為にも適応でき、引いては診療所の外来医療全体の根底をなすものと位置付けたいのです。診療所の場合これらは医師看護師共同作業で作成するのがよいと思います。

障壁も多いですが、今後一番に取り組んでいきたい課題です。


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by dobashinaika | 2009-07-29 23:27 | 心理社会学的アプローチ

第11回土橋EBM教室

7月25日(土曜日)、第11回の土橋EBM健康教室を当院待合室で行いました。今回は「糖尿病との付き合い方」をテーマに私と、当院の管理栄養士菊池香保里さんとでお話しいたしました。まず前半私が糖尿病という病気の仕組み親治療について簡単にお話しし、後半で菊池さんが食事のとりかた、カロリー計算の簡単な方法などについて講演しました。

参加者はいつもながら10人弱であり、会場が狭い分だけ、皆が質問しやすく双方向な楽しい教室となりました。菊池さんは栄養士の学校の講師もされている方で、お話もわかりやすく、まず楽しく、苦痛となることのない食事を心がけることを強調していました。

こうした形での教室も今後ふa0119856_8322714.jpgやしていきたいと考えています。
by dobashinaika | 2009-07-27 08:33 | 土橋EBM教室

オンラインストレージは全能感を喚起する

最近パソコン環境が大幅に改善されました。いわゆるオンラインストレージの定番"Dropbox"をようやくあれこれ使えるようになってきたからです。私は学会のスライド作成など、医院と自宅と両方でやることが多く、これまで新しく作ったファイルはUSBメモリで持ち歩いていたのですが、これだと、どのファイルが一番新しいものなのかわからくなってしまうことがたびたびでした。ウィンドウズ提供のブリーフケースも使っていましたが、なぜか同期できないファイルがあったり、同期ファイルをコピペできなかったりと、あまり快適に使用できていませんでした。

そこで、知り合ったのがネット上のサーバーにファイルを置くいわゆるオンラインストレージです。今使っているDropboxは医院のPCでも、自宅PCでもどこでファイルを手直ししても、常に最新のファイルにアクセスできます。しかも更新履歴が残っており、万が一誤って上書き保存しても、上書き前のファイルを見ることができます。

とにかくまさに、こんなソフトがほしかった、というやつで、同じくweb上のコルクボードともいうべきEvernoteともどもこれからの仕事でなくてはならないお友達になりそうです。

こうした友達が増えるとPCを開くのがなんとも楽しくなります。そして、自分が何でも出来るようになる感覚、いわゆる全能感というか、そうした錯覚に陥るわけです。その錯覚もまた、PCで遊ぶ愉悦なのかもしれません。ま、問題集を買っただけで勉強ができたと思い込む感覚と似てはいますが。。。
by dobashinaika | 2009-07-24 23:40 | 開業医生活

いきいき健康講座

今日は、ミサワホームイング東北さん主催の「いきいき健康講座」の講師として、講演してまいりました。この講座はリフォームのミサワホームイングさんが、地域の社会環境活動の一環として昨年から年2~3回行っているもので、今回で3回目となります。前2回は中山、八乙女で、高血圧についてお話しいたしました。今回は「メタボリックシンドロームと言われたら」と題して、メタボリックシンドロームの解説と、対策についてお話しさせていただきました。会場の泉中央にあるホームイングショップ「SITURAE]」はこの6月にオープンしたばかりのショールームで、リフォームの新しい素材や、小物がセンスのいい配置に並べられ、大変気持ちのいい空間です。その入口ギャラリーに30人を超える方にお集まりいただきました。今日のテーマはメタボにならないでいかに食べるか?いかに運動するか?です。話すべきことが多すぎてとても1時間で収まりきれず、最後は大分駆け足になってしまいましたが、私としてはたいへんやりがいを感じた2時間でした。参加者の半数以上が、前2回にいらした方だったこと、またご夫婦での参加が多かったこと、こちらから見ても、ほぼ全員が詰まらぬ顔一つされず熱心に聞いてくださったことなど(ほんとにありがたかった!)、苦労してスライドなど準備した甲斐がありました。こうした講演をさせていただくと、自分の知識の整理にもなり、またこういう風に説明すると、患者さんはよく聞いてくれるのかということが分かり、明日からの自分の診療にも実はかなり役に立つのです。
これからも、診療所にとどまらず、こうした活動をする機会があれば積極的に参加していきたいと思っています。a0119856_22493962.jpg
by dobashinaika | 2009-07-19 22:51 | 土橋EBM教室

第3回心房細動を考える会

昨年から、私と五十人町おおともクリニックの大友淳先生、東北大学病院循環器内科の福田浩二先生とで企画しております、「心房細動を考える会」の第3回を本日開催いたしました。今回は、リニューアルされた心房細動ガイドラインを概観し、そのうえでいろいろな症例を提示し、開業医の立場からと病院勤務医の立場から上記お二人の先生に、それぞれにどんな検査を追加し、どんな治療をするのか、ご意見を戦わせていただく形で行いました。症例は以下の4例です。
1「50代男性、今朝から動悸が出現し、心電図で心拍数毎分130回の心房細動」
2「60代男性、今年の健康診断で初めて心房細動を指摘されたが自覚症状なし」
3「60代女性、発作性心房細動のためA薬を服用していたが、最近発作が増えてきた」
4「70代女性、慢性心房細動でワーファリン服用中に大腸ポリペクトミーの適応と診断された」

いずれも極めて日常よく遭遇する患者さんのタイプですが、にもかかわらずこれがベストだと言える治療法はなく、ほかの先生がどんな治療をしているのかを知るいい機会でもありました。

各例ごとに参加された先生方から、自分ならこうする、この治療法はどうか、といった意見、質問が積極的に出されました。参加者は循環器専門以外の先生であったにもかかわらず、とても質の高いディスカッションができたと思います。私は司会をしていましたが、ほとんど発言しなくても話が収束していく感じで、とても楽でした(笑)。それだけ本日の先生方のレベルが高かったのと同時に、心房細動で、日々皆悩んでいるのだなあ、と改めて実感しました。

心房細動は、年齢、血圧、糖尿病、飲んでいる薬、心臓の働き、などなどさまざまなものの影響を受け、また体へのあらわれ方も、すごくどきどきする場合もあれば、知らないうちになっている場合もある、治療法も何通りもの薬、カテーテル、手術がある、そういった幅の大変広い病気です。

それぞれに型にはまった治療というのはありません。まさにわれわれ医師にとっても心を悩ませる「心房細動」な疾患(病気)であるといえます。しかしながら、今後も患者さんは増えつづることが予想される病気でもあります。このような勉強会を通じて、どんな患者さんを前にしても、「心を細かく動かす」ことなく、じっくりしっかり対処できるようにしたいとあらためて感じ入った夜でした。
by dobashinaika | 2009-07-09 23:32 | 心房細動:リアルワールドデータ

ちょっとリニューアル

先週、待合室の洗面所の蛇口を自動式(手をかざすと水が出る)に変えました。
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同時にトイレも近付くと自動的にふたが開くタイプに変更しました!
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水道の蛇口に手を触れない、トイレのふたに触らない、これらは医療機関として最低限の設備です。遅まきながら当院でもようやく導入いたしました。
ついでに待合室のエアコンも自動でフィルター清掃などができる最新式のものに交換しております。
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狭い待合室で、いつもご迷惑をおかけいたしておりますが、少しでも快適になれば幸いと思っています。
by dobashinaika | 2009-07-07 22:33 | 土橋内科医院

日本不整脈学会・日本心電学会合同学術集会

昨日までの2日間(7月2日、3日)、京都の不整脈関係の学会に出席してまいりました。夏の京都は何回か経験がありその暑さを覚悟していましたが、梅雨空のためか思ったほど蒸し暑くなく、それほど汗もかかずに過ごせました。

不整脈はたくさんありますが、「心房細動」と「重症不整脈(致死的不整脈)」がとくに重要視されて聞いており、この2つに関する発表がたいへん多くなってきております。

今回は、当院でも患者さんが多い心房細動に関し、学会で新しいガイドラインが作り直されたため、それに関しての発表をいくつか聞きました。昨年新しくなったのですが、今までとかなり違っており、今後心房細動の日本での治療が大きく変わっていくことが予想されます。

特にアスピリン、ジギタリスといった昔からよく使われていた薬はだんだん使われなくなるでしょう(もちろん患者さんによっては有益なこともあります)。ワーファリン、β遮断薬といった薬はますます多くなるでしょう。

古いガイドラインは約8年前に作られたのですが、今の治療方針とはまったくちがったことが書かれています。一つの病気も8年たつと、まったく治療法が変わってしまうのが、今の医学です。「温故知新」ならぬ「新故知新」です。。。。。が、医学においてもいつまでも変わらぬものもあるはず、すなわち故くて新しいもの。。。。

すぐ思い浮かぶのは古くは「ヒポクラテスの誓い」、陳腐な言葉で言うと「患者を思う心」とか。。。。私なりの言葉を使うと「読み解くこと」、このことこそ変わらずに医師の要求される姿勢だと思われます。病気に対する新しい知識、これをいかに自分の患者さんにうまく役に立つように読み解けるか、患者さんからの訴え、言葉から発せられるもの、言葉以外から発せられるもの、これをいかに読み解けるか、つまりいろんな情報を自分なりに噛み砕いて、ひとりひとりの患者さんの治療に生かすという姿勢こそ、変わらぬものでなければならないものと思われます。

学会などに出るとa0119856_2384128.jpg、いつもと違う時間の流れを経験するため、以上のようなたわいもないことを考えられるのが、いいと言えばいいことかもしれません。
by dobashinaika | 2009-07-04 23:10 | 開業医の勉強


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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