カテゴリ:抗凝固療法:患者さん用パンフ( 3 )

当院での抗凝固療法(プラザキサ、ワーファリン)開始時のパンフレットを改定しました。

昨日、東京で「プライマリケア医を訪れる患者さんと抗凝固療法の情報をどう共有するか」について日頃当院で行なっていることをお話させて頂きました。
心臓血管研究所の山下武志先生始め、著明な先生方の中で発表させていただけて大変勉強になりました。

本日からプラザキサの長期処方が可能となりましたので、以前作成しブログにアップしましたパンフが実情と合わなくなっております。
そこで昨日の講演でもご紹介いたしました、ワ−ファリン→プラザキサの切替時ばかりでなく、当院で抗凝固療法を行うときに使用しているパンフレットをアップいたします。

パンフ1は抗凝固療法をはじめるすべての患者さんに渡しています。
これは以前「”ともに考える医療”のための新たな患者−医療者関係構築を目的とした実証・事業研究(主任:尾藤誠司先生)」に参加させていただいた際に作成し、他のメンバーの方からもピアレビューを受けたものです。

このパンフのコンセプトは以下のようなものです。
1.「中学生レベル」であれば誰でもわかるようにわかり易い言葉を使う(例:抗凝固薬→脳こうそく予防薬)
2.まず抗凝固療法の目的を明確にする
3.エビデンスレベル、推奨度の高い医学的情報を伝える。数字はなるべく自然頻度を用い、不安をできるだけ軽くなるような表現を用いる
4.A4版2枚にまとめる

パンフ2は、プラザキサが出てから使用しています。

パンフ3は、以前から当院で使用しているワーファリンの具体的な服用についてのパンフです。

プラザキサについての同様な服用方法説明は、日本ベーリンガーインゲルハイム社の作成した「脳梗塞予防のためのプラザキサ服用手帳」が良くできているのでを用いていますが、出血時の注意点については当院独自で作成したパンフを使用しています。パンフ4にアップしました。
特に小出血の時は服薬を止めたり回数を減らしたりしない。出血時の対処法、早急に主治医に連絡すべきときはどんな時か、の3点がポイントと思います。

パンフ5はプラザキサ服用下での採血項目チェック表です。山下武志先生の施設に準じた内容を記載します。このとき脱水時には早めに受診するように記載しています。

なお、あくまで当院の実情に沿っての説明文書ですので、例えばaPTTの注意レベルなど各施設で違いがあると思います。その点ご注意いただければ幸いに存じます。

昨日講演した「患者さんとの抗凝固療法の情報共有、とくにプラザキサ服用時の注意点について発表した他の内容は、また後日アップいたします。

<パンフ1>脳梗塞予防薬をのむ理由について
a0119856_2237250.jpg


<パンフ2>
プラザキサとワーファリンの比較表
a0119856_22525160.jpg

※上記薬価は150mg1日2回のものです。110mg1日2回だと、3割負担約4200円、1割負担約1400円です。

<パンフ3>ワーファリンの飲み方
a0119856_2256151.jpg


<パンフ4>抗凝固薬出血時の対処法
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<パンフ5>プラザキサ採血チェック表
a0119856_23142869.jpg

by dobashinaika | 2012-04-01 23:22 | 抗凝固療法:患者さん用パンフ | Comments(0)

Circulation誌の患者さん向けダビガトラン服用ガイド

今週号のCirculationにダビガトランの患者さん向けのガイドが掲載されています。薬の作用機序、ワーファリンとの違い、副作用、日常生活上の注意、妊娠、外科手術、抜歯時の注意点などが詳しく述べられています。

http://circ.ahajournals.org/content/124/8/e209.full

アメリカの対応が早いかどうか別にして、こういう新しい薬が出た場合は、われわれ医療者あるいは学会が積極的に患者さん向けにわかりやすい情報を提供すべきと思われます。医療者は医療情報を発信する場合、まず他の同業者がどう考えているかを考えがちですが、患者さんがどう思っているか、どう情報伝えていくかを真っ先に考える習慣を今後身につける必要があるのではないか。

これを読んでそう思いました。

これを日本風にアレンジして患者さんに配布することにします。
by dobashinaika | 2011-08-26 08:54 | 抗凝固療法:患者さん用パンフ | Comments(0)

ワーファリンからプラザキサへ切り替える時の患者さん説明用パンフを作成しました

プラザキサ発売にあたり、ワーファリンからの切り替え時に使用する患者さん説明用のパンフレットを作成しました。

これは、まだ試案であり、あくまで当院の患者さん向けに作成したもので、医療者として患者さん一般に向けたメッセージではありません。さらに、薬価その他不正確な情報もあります。以上の点をご留意の上、お読みいただければ幸いです。

今後、患者さんへの説明が非常に大切になってくると思われます。
プラザキサは医学的にはワーファリンに勝るとも劣らない、しかしながら利便性は五分五分と思います。特に診療所に通われている方は受診回数、支払額は重要な判断材料になります。
1月になりプラザキサについて患者さんに説明する機会が増えましたが、受診月2回を切り出すと、遠慮する、1年待つという人が意外に多いと思います。
実際発売となり、マスコミ等で周知された場合、どうなるか、ですね。

〜以下、試案〜

            ワーファリンを服用している方へ
            新規抗凝固薬プラザキサについて


このほどワーファリンと同様の働きの新規抗凝固薬プラザキサが発売になりました。
ワーファリンと同じように、血液を固まりにくくし、心房細動による脳塞栓症を予防するお薬です。
1日110mg1錠を朝夕2回飲む場合(計220mg)と、75mg2錠を朝夕2回飲む場合(計300mg)があります。

このお薬は、以下のようにワーファリンに比べて良い点と、欠点とがあります。ワーファリンからの切り替えについて、以下の点を参考に、医師と一緒に考えながら、決めていきたいと思います。

ワーファリンに比べて良い点
1)食べては行けない食品がなくなります
納豆、青汁、クロレラ、モロヘイヤを食べてもかまいません
2)毎月の採血がなくなります
血液検査で効き目を見極める必要がなくなります。
3)毎回ほぼ決められた数だけ飲めばよいことになります
ワーファリンのように、月によって飲む数が変わるということがなくなります。
4)手術のときなどは、直前まで服用可能です
服用を止めると効き目が速やかになくなりますので、ワーファリンのときのように、薬を止めたことによる塞栓症のリスクが少ないと言えます。
5)ワーファリンより効果がある可能性があります
1日300mg服用すると、ワーファリンに比べて脳卒中、全身の塞栓症が少なくなるとのデータがあります。
6)ワーファリンより出血の合併症が低くなるとの報告があります
生命を脅かすような出血や小出血などにおいて、ワーファリンに比べて少なくなるとのデータがあります。
6)他の薬との飲み合わせをこれまでより気にしなくて済みます

ワーファリンに比べての欠点
1)今後1年間は2週間処方です
新薬ですので、発売1ヶ月間は2週間に1回の受診が必要となります。
2)1日2回飲む必要があります
ワーファリンは1日1回でしたが、必ず1日2回飲むことになります。
3)薬局で支払う金額が上がります
例)ワーファリン1日3錠飲んでいた方
   ワーファリン(1錠9.7円)3割負担の方約262円/月、1割負担の方で87円/月
   プラザキサ(1錠○○円):3割負担の方約○○円/月、1割負担の方で○○円/月
* まだ確定しておりませんが、ワーファリンにかかった額の数倍以上となる見込みです。(医療費全部がそうなるわけではありません)なおワーファリンのときにかかった採血料、判断料等がなくなるため、実際は合計での医療費は上記の負担増より○○円低くなります。
4)これまでよりも飲み忘れに注意が必要です
ワーファリンよりも速やかにからだからなくなりますので、飲み忘れると半日程度で効き目が切れてくる可能性があります。
5)消化管出血や消化器症状は、ワーファリンよりやや多いとの報告があります
胃などからの出血は、300mg/日の場合、ワーファリンより多いとの報告があります。また、約10%に腹部不快感などの症状があることが報告されています。
6)出血が起きたときなどの対処法が不明です
ワーファリンには中和薬がありましたが、プラザキサにはないため、出血時は服薬を中止することのみが対処法となります。

このような良い点と欠点とを比較し、医師との相談の上、切り替えについて考えていきたいと存じます。
by dobashinaika | 2011-02-06 20:08 | 抗凝固療法:患者さん用パンフ | Comments(1)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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