カテゴリ:抗凝固療法:ダビガトラン( 126 )

ダビガトラン110mg、150mgどちらがよい?最長追跡期間のリアルワールドデータ:EHJ誌

Long-term evaluation of dabigatran 150 vs. 110 mg twice a day in patients with non-valvular atrial fibrillation
Eur Heart J First published online: 3 March 2016


疑問:ダビガトラン110mg1日2回と、150mg1日2回との現実世界での長期比較はどうか?

方法:
・RE-LY試験で割り付けられた用量をそのまま服用して追跡できた症例を対象:RELY-ABLE試験
・平均4.6年、最高6.7年追跡

結果:
1)脳卒中/全身性塞栓症(年間):150mg vs. 110mg=1.25% vs. 1.54%:ハザード比0.81 (0.68-0.96, P=0.02)

2)虚血性脳卒中(年間):150mg vs. 110mg=1.03% vs. 1.29%:ハザード比0.79 (0.66-0.95, P=0.01)

3)出血性脳卒中(年間):150mg vs. 110mg=0.11% vs. 0.13%:ハザード比0.91 (0.51-1.62, P=0.75)

4)大出血(年間):150mg vs. 110mg=3.34% vs. 2.76%:ハザード比1.22 (1.08-1.37, P=0.0008)

5)頭蓋内出血(年間):150mg vs. 110mg=0.32% vs. 0.23%:ハザード比1.37(0.93-2.01, P=0.11)

6)死亡率(年間):150mg vs. 110mg=3.43% vs. 3.55%:ハザード比0.97 (0.87-1.08, P=0.54)

結論:全体のアウトカムとしては効果は150mgが勝り、大出血は110mgがよい。頭蓋内出血はどちらも低率。新たに考慮すべき安全性の問題はない。この試験はNOACの最も長期に継続されている割り付けによる情報である。

### 最近心房細動のペーパーも少なく、あっても見たこととあるような情報ばかりでブログ更新ちょっと間が空いておりました。現実世界のダビガトランデータです。

RELYの本番試験とほぼ同じ結果ですね。全体の効果は150mgの方が2割良く、大出血は110mgの方が2割少ない、と言う結果です。

日本の添付文書上の推奨基準(70歳、ClCr30-50など)で分けているわけではなく、ランダム化比較試験に登録し、そのままの量を飲んでいると言う割り付け条件ですので、110mg服用者でも若い人もいるし腎機能正常者もいるということになります。

プライマリケアの立場としては効果より出血を重視したいところであり、死亡率に変わりがなければ全例110でいいようにも思います。

$$$ 家人が見ていた地元番組の方言コーナー。何言ってるかわかりますか?
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(一定期間後削除予定)
by dobashinaika | 2016-03-12 08:49 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ワルファリンからダビガトランに変更したほうが良い患者とは:CJC誌

Net Clinical Benefit of Dabigatran over Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation Stratified by CHA2DS2-VASc Score and Time in Therapeutic Range
Canadian Journal of Cardiology http://dx.doi.org/10.1016/j.cjca.2016.01.016


疑問:ワルファリンからダビガトランに変更した時に,ネットクリニカルベネフィットはどう変わるか?

方法:病院ベースの観察登録研究

結果:
1)2153人,平均72.7歳。平均CHA2DS2-VAScスコア3.65点

2)ワルファリン1686人,ダビガトラン467人,4.2年間追跡

3)虚血性脳卒中:ワルファリン4.25%/年,ダビガトラン1.89%/年

4)ワルファリン群における虚血性脳卒中:CHA2DS2-VAScスコアと正相関およびTTRとは負相関

5)TTRが10%増えるごとに年間虚血性脳卒中は0.74%減少(R2=0.77, p=0.04)

6)CHA2DS2-VAScスコア高値ほど,TRR10%増加ごとの虚血性脳卒中減少が大きい:CHA2DS2-VASc score ≤2, 3-4, and ≥5, -0.38%/年, -0.60%/年, -0.84%/年

7)頭蓋内出血でも同様傾向あり

8)全患者において,ワルファリンからダビガトランに変更したほうがネットクリニカルベネフィット(NCB)は良好だった。最良のNCBは高CHA2DS2-VAScスコア,低TTRであったからの変更だった。

結論:CHA2DS2-VAScスコアとTTRの組み合わせはダビガトランへ優先的に変更する患者選考の助けとなる。変更する際の最良のNCB例は高CHA2DS2-VAScスコアで低TTRの例。

### 高リスクながらワルファリンコントロールの不良な例ほど,ワルファリンからダビガトランに変更したほうが良いというメッセージです。
高リスク例ほど年齢も高くTTRはpoorになるのですが,その際は腎機能には注意が必要かと思われます。

NCBがどの程度改善するかは本文を読まないとわからないので,後日。

それにしてもNOACのTTRはどれも60%台でしたが,これが70%になれば,もしかするとワルファリンのほうが虚血性脳卒中は結果が良かったかもしれないと思うと,ワルファリン管理に慣れているひとはワルファリンでよいという感を強くします。

$$$ 早々とバレンタインの贈り物を頂きました。ありがとうございました。
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by dobashinaika | 2016-02-01 22:02 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ダビガトランの日本での市販後調査6772例の中間解析:JA誌

Journal of Arrhythmia Published Online:January 16, 2016

ダビガトランの市販後調査( J-Dabigatran Surveillance )の中間解析結果が発表されてます。

方法:
・日本のNVAF例,2011年12月〜2013年11月まで登録,1042施設
・アウトカム:重篤及び非重篤有害事象

結果:
1)6772例登録。最終症例数6148例

2) 平均70.87±9.9歳。75歳以上37.8%,男66.8%

3)平均CHADS2スコア1.8点

4)ワルファリンからの切り替え:27.7%

5)アドヒアランス(投与後3ヶ月):92.0%は完全に毎日2回服用

6)重篤な有害事象:
心筋梗塞5例(0.06%),大出血46例(0.55%),胃腸障害(非出血性)11例(0.13%),死亡15

結論:この中間解析結果は先行RCTに比べ,ダビガトランがより安全なプロファイルであることを支持している。

### 日本におけるダビガトランの大規模な市販後調査データです。CHADS2スコア0点の人も11%で,0点1点で40%も占めています。
RE-LYに比べても比較的軽症例に投与されていることがわかります。

220mg/日が4560例で74%を占めています。
注目の消化管出血は上部15例,下部12例でした。頭蓋内出血は4例しかみられていません。
アドヒアランスは飲み忘れ全く無しが92%,2/3~が4.1%で非常に良好でした。
ワルファリンからの切り替え例の方がCHADS2スコア高点で慢性が多かったとのことです。

年齢で見ると65歳未満の53.9%,70歳未満の47.7%にしか300mg/日が投与されていませんでした。
腎機能でみるとClcrが30未満の禁忌例にも38例で投与されていました。

全体に110mg主体の使い方で,対象もCHADS2スコア低点例が多いため大出血も少ないものと追われます。
問題の消化管出血もあまり多くないようです。
胃腸障害は実際よりかなり少ないような印象ですが。

虚血性脳卒中の結果は発表されていませんし,もちろん市販後調査のバイアスは大きいですが,軽症例への110mgであればおそらくワルファリンと比べても安全に使えるという印象を補完してくれるデータでした。

$$$ 本日朝の医院周辺
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by dobashinaika | 2016-01-19 18:26 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

アジア人の大規模観察研究ではダビガトランはワルファリンに比べて心筋梗塞,消化管出血を増やさず

Cardiovascular, Bleeding, and Mortality Risks of Dabigatran in Asians With Nonvalvular Atrial Fibrillation
Stroke:Published online before print January 5, 2016,


台湾から,リアルワールドでダビガトランとワルファリンとを比較した医療保険データベースによる大規模コホート研究がでています。

P:NVAF:2012〜2013年の2年間追跡

I:ダビガトラン群9940例

C:ワルファリン群9913例:プロペンシティースコアマッチ

O:イベント(以下のとおり)

結果:
1)平均追跡期間0.67年,ダビガトランのアウトカム526イベント

2)大ワルファリン群のハザード比:
・虚血性脳卒中:0.62 (0.52–0.73; P<0.0001)
・心筋梗塞:0.67 (0.43–1.05; P=0.0803);
・頭蓋内出血:0.44 (0.32–0.60; P<0.0001)
・消化管出血:0.99 (0.66–1.49; P=0.9658)
・入院を要する大出血:0.58 (0.46–0.74; P<0.0001)
・全死亡:0.45 (0.38–0.53; P<0.0001)

3)すべてのグループで心筋梗塞と消化管出血のリスクは増やさず

4)88%(8772例)は110mg

5)どのアウトカムも110と150とで差はなし

結論:リアルワールドでのワルファリンとの比較では,ダビガトランは,アジア人のNVAFでの虚血性脳卒中,頭蓋内出血,大出血,全死亡の各リスクを減らした。ダビガトランは消化管出血と心筋梗塞を増やさなった

### ダビガトランはリアルワールドデータが豊富ですが,アジア人での観察研究でこれだけ大規模なものは初めてです。

RELY試験のアジア人サブ解析では消化管出血は増やしていなかった
というのがでていましたね。
http://dobashin.exblog.jp/21557103/

110mgであれば安全に使えるのかもしれません。当院でも150は最近ほとんど使わなくなってきています。ただ高齢者でどうか,腎機能低下例でどうか。本文をもう少し読んだらまたご紹介します。

$$$ ちょっと遅れましたが7日に七草粥食べました。お正月は今年はいろいろと食べましたので。
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by dobashinaika | 2016-01-11 23:43 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ダビガトランのリアル・ワールドデータ2題;TH誌

ダビガトランのリアル・ワールドデータ2題
T/H誌からダビガトランのリアル・ワールドデータが2つでています。
ダビガトランに関しては,先行薬剤なのでこうしたデータが最近多く目につきます。

1つは米国バージニアの大学グループから
A comparison of the safety and effectiveness of dabigatran andwarfarin in non-valvular atrial fibrillation patients in a large healthcare system
Todd C. Villines et al
Thromb Haemost 2016 : -http://dx.doi.org/10.1160/TH15-06-0453


方法:
・US Department of Defense claims database
・2009〜2013年
・新規投薬例,ダビガトラン群vs. ワルファリン群(プロペンシティースコアマッチ)

結果:
1)両群とも12,793例。平均74歳,平均CHA2DS2-VAScスコア3.9点,平均HAS-BLEDスコア3.4点

2)以下のハザード比はダビガトラン群に有利:
脳卒中0.73[0.55–0.97],頭蓋内出血0.49[0.30–0.79],泌尿生殖器0.36[0.18–0.74],その他0.38[0.22–0.66],心筋梗塞0.65[0.45–0.95],死亡0.64[0.55–0.74]

3)以下のハザード比はワルファリン群と同等:
大出血0.87 [0.74–1.03],消化管出血1.13[0.94–1.37]

4)下部消化管出血はダビガトランで多い:1.30 [1.04–1.62]

結論:ダビガトランは脳卒中はじめ多くのアウトカムでワルファリンより良好。ただし下部消化管出血はダビガトランで多い。

もう一つはハーバード大学のグループから
Safety and effectiveness of dabigatran and warfarin in routine care of patients with atrial fibrillation
John D. Seeger et al
Thromb Haemost 2016 : -http://dx.doi.org/10.1160/TH15-06-0497


方法:
・2つの商業データベース
・新規投薬例,ダビガトラン群vs. ワルファリン群(プロペンシティースコアマッチ)

結果;
1)19189例,平均68歳,平均CHA2DS2-VAScスコア3.0点,平均HAS-BLEDスコア2.2点

2)各ハザード比:脳卒中0.77(0.54〜1.09),大出血0,75(0.65〜0.87)

3)75歳以上の脳卒中:0.57(0.33−0.97),6ヶ月以内の投与例:0.51(0.19-1.42)

4)55歳未満の大出血:0.51(0.30-0.87),CHADS2スコア2点未満:0.58(0.44−0.77)

結論:日常のケアにおいてはダビガトランはワルファリンよりも良好なアウトカムが得られた。

### 両論文ともベーリンガーインゲルハイム社がFinancial supportをしています。

やや結論が違いますがはじめの論文のほうが高齢で高リスクを扱っています。両論文ともかなりいい数字です。保険のデータベースを使ってるようなのでワルファリンのTTRまでわかりませんでしたが,ワルファリン群の治療はどうだったのか。

またダビガトランで知りたいCCr30-50のひとのデータ,80歳以上の人のデータもこの際明らかにして欲しいように思います。ただし米国では150mgx2です。最も知りたいのは日本人の腎機能低下または高齢者でのダビガトラン(や他のNAOC)の成績ですね。

$$$ 先日は仙台市急患センターの当番。のどにくるかぜ症状の方が非常に多く見られました。皆様お気をつけて
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by dobashinaika | 2015-10-21 21:45 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ダビガトランは高齢者においてワルファリンより頭蓋内出血を減らすが消化管出血には注意:TH誌

Dabigatran use in elderly patients with atrial fibrillation
Meytal Avgil-Tsadok
Thromb Haemost 2016; 115 http://dx.doi.org/10.1160/TH15-03-0247


P:1999〜2013年に登録したカナダ,ケベック州の一般住民

E:ダビガトラン110/150

C:プロペンシティースコアマッチをさせたワルファリン使用者

O:75歳未満と以上とで層別化した有効性と安全性

結果:
1)ダビガトラン15918例,ワルファリン47192例

2)75歳以上67.3%。80.1%は低用量。75歳未満の80.0%は高用量

3)75歳以上でのダビガトランの有効性:ワルファリンと同等:HHR 1.05, 95 % CI: 0.93, 1.19

4)75歳以上でのダビガトランの頭蓋内出血:ワルファリンより少ない:HR 0.60, 95 % CI: 0.47–0.76

5)75歳以上でのダビガトランの消化管出血:ワルファリンより多い:HR 1.30 95 % CI: 1.14–1.50

結論:実臨床に基づけば,ダビガトランは高齢者において,ワルファリンの代替薬になりうる。特に頭蓋内出血を減らす。ただし消化管出血には注意が必要。

### カナダではガイドラインで75歳以上は110mgが推奨されています。詳しく見ると消化管出血は75歳以上の場合,110mgでも150mgでもワルファリンより多いようです。一方75歳未満ではワルファリンと同等でした。

高齢者のダビガトラン使用には,頭蓋内出血は減らし,消化管出血に特に注意をというこれまでよくいわれたメッセージのリアルワールどでの検証と思われます。

$$$ 忘れていましたが,今日は誕生日でした。無事にこの歳まで来られたこと,皆々様に感謝です。
FBのお知り合いから頂いたフォトでとりあえずお祝い。
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by dobashinaika | 2015-09-18 23:55 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

血液型O型はダビガトラン投与下でのaPTT延長と関連あり:CJ誌

ABO Blood Type and Response of Activated Partial Thromboplastin Time to Dabigatran in Nonvalvular Atrial Fibrillation Patients
Shinya Suzuki et al
Circulation Journal Released 2015/08/27


目的:血液型とダビガトラン投与下のaPTTは関連があるのか

方法:2011年から2015年までダビガトラン投与下で血液型と活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)を測定した396例(ベースライン166例)

結果;
1)O型の人はベースラインで延長傾向を示した:23秒以下0%,23−43秒の30−40%(がO型),44秒以上の100%(がO型);P=0.054

2)O型の人はダビガトラン投与下で明らかに延長した(朝採血):43秒以下30%未満,44−71秒の30−40%(がO型),72秒以上の60%以上(がO型);P=0.001

3)O型の人は上記の差も大きかった:P=0.012

結論:非弁膜症性心房細動患者においては,ダビガトラン投与下での高いaPTTは血液型O型と関連あり.

### 心臓血管研究所の鈴木先生の御発表ですが,,ほー,そうでしたか!

論文によれば,血液中のvon Willebrand 因子は出血したとき最初に出てきて(一次止血),破綻した血管壁のコラーゲンと血小板をくっつける接触剤のような役割をしている重要なタンパク質ですが,VIII因子の担体タンパクで,O型では20−30%他の血液型よりも少ないとされています.このため,O型の人はVIII因子活性が低くく内因系の凝固活性が低下していると考えられるため,内因系のマーカーであるaPTTが延長する,というのが仮説です.

ベースラインのaPTTには差はありませんでしたが,ダビガトラン投与下ですと0型の平均が52.1秒で,最短のA型の48.0秒より有意に上昇しています.特に150mgで顕著なようです.

オーバーラップもかなりありますし,単一施設データですが,興味深いですね.

ダビガトラン投与下でaPTTが高い症例があったら,いちおう血液型を聞いてみるようにします.

$$$最近散歩先にねこがいないので,これは昨年秋に撮ったミケです.
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by dobashinaika | 2015-08-27 18:51 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ワルファリンからダビガトランに変更した場合,うつや不安は少なくなる?:CATH誌

Comparison of Changes in Anxiety and Depression Level Between Dabigatran and Warfarin Use in Patients With Atrial Fibrillation.
Turker Y, Ekinozu et al
Clin Appl Thromb Hemost. 2015 Aug 14;


対象:ワルファリンからダビガトランに変更した心房細動50例

方法:
・変更前後でうつのスケール(Beck Depression Inventory Scale:BDS)と不安スケール(Hamilton Anxiety Scale:HAS)を評価

結果:
1)平均74.6歳
2)BAS(うつスケール);ワルファリン時のほうがダビガトラン時より高い:15.6 ± 7.8 vs 11.5 ± 4.8, P < .001
3)HAS(不安スケール):ワルファリン時のほうがダビガトラン時より高い:16.8 ± 10.4 vs 12.6 ± 8.1, P < 0.001
4)うつの頻度:ワルファリン時>ダビガトラン時:n = 24, 48% vs n = 14, 28%, P = .039

結論:ダビガトラン投与時のほうが,ワルファリン投与時にくらべBDS,HASが低い.ダビガトランはQOLを上げ,うつや不安を減らすことで合併症や死亡率を減らすことにつながることが示唆される.

### ワルファリンからダビガトランへの変更を承諾した症例が対象ですので,ワルファリンへの不安が強く,ダビガトランへの期待が高いケースを集めた研究とも言えます。途中で消化器症状がでた症例などは含まれていないと思われます。その意味で限定的な情報化と思います。

ただ,NOACに変えたあと,やっぱり変えてよかったという方も多数おられるのは事実ですね。一番は飲みやすさです。ワーファリンはいちいち3錠とか3.5錠とかたくさんヒートから取り出さないとなりません。また納豆好きな方にとっては,何物にも変えがたい福音をもたらします。それと患者さんの中には高いので,ワルファリンより安心という方もおられました。

うつが解消されるというのはどういうことでしょうか?頭蓋内出血への不安が減るからでしょうか。このあたり,医師の説明がかなりのウェィトを占めるかと思われます。エビデンスをどの程度伝えるか,理解度も問題ですし..

$$$ 最近いい写真がないので,ちょうど1年前の朝ごはんをupします。1年前は入院中でリハをしていました。食事だけが非常に楽しみで,1食1食信じられないくらい美味しく感じたんですね。病院の名誉のために言いますと,ここの病院食は普段から十分美味しいのですが(^^;),人間,食というものの生命維持における比重が高いと,食べ物が美味しく感じられるようにできているのかもしれませんね。
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by dobashinaika | 2015-08-25 22:15 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

アジア人では、ダビガトランの有効性安全性は腎機能、CHADS2スコアに無関係:CJ誌

Efficacy and Safety of Dabigatran Etexilate vs. Warfarin in Asian RE-LY Patients According to Baseline Renal Function or CHADS2 Score
Masatsugu Hori et al
Circulation Journal [Advance Publication] Released: August 06, 2015


背景:RE-LY試験のアジア人における腎機能とCHADS2スコアの関係、および有効性安全性を検討

方法:
・RE-LY試験のアジア人2782人における有効性、安全性を腎機能とCHADS2スコア別に解析

結果:
1)脳卒中/全身性塞栓症及び大出血:腎機能悪化、CHADS2スコア上昇とともに増加

2)脳卒中/全身性塞栓症:ダビガトラン110、150vs.ワルファリンの関係は腎機能及びCHADS2スコアによる交互作用なし

3)大出血:上記と同様

4)ベースラインのCHADS2スコア:ダビガトラン、ワルファリンそれぞれの出血リスクに影響与えず

結論:アジア人の出血と脳卒中発症率は腎機能とCHADS2スコアにより多様。しかしながらダビガトランの相対的有効性はこのサブ解析でも保持された。

### アジア人全体のサブ解析結果は以下のとおりです。
・脳卒中/全身性塞栓症発症率:ダビガトラン150<ワルファリン、ダビガトラン110=ワルファリン
・大出血:ダビガトラン150=ワルファリン、ダビガトラン110<ワルファリン
・特に消化管出血:ダビガトラン150=ワルファリン(本試験ではダビ150のほうが多い)、ダビガトラン110=ワルファリン
http://dobashin.exblog.jp/16174983/

今回は腎機能およびCHADS2スコア別にこれらを見たもので、症例数が少なく各解析でCIが1をまたいではいますが、上記の傾向は腎機能別あるいは CHADS2スコア別に見ても大きな変動はなかったという結果でした。要するに腎機能の良し悪し、CHADS2スコアの高低を気にせずにダビガトランは使えるとの論文の趣旨かと思います。

よくグラフを見ますと、アジア人ではワルファリンの大出血率が特にCCr50未満ではかなり多いのですね(6.39%/年)。ダビガトランは両用量とも3.5〜4%台でした。やはりアジア人では腎機能低下例でワルファリンによる出血が多い分、ダビガトランが有利になるのかもしれません。

何分西アジアまで含んだアジア人であり、サブ解析のそのまたサブ解析なので、これでどれだけのことが言えるか、今後吟味が必要と思われます。

$$$ 何気なくツイッターを見ていたらなんと本日、元祖仙台駄菓子本舗 熊谷屋さんでホヤ(和菓子)売ってました。そしてすぐ売り切れとのこと。残念!今度こそ。(画像は熊谷屋さんのツイッターから)
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by dobashinaika | 2015-08-17 21:11 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ケアネット連載:「 ダビガトラン 周術期にどう使う?」更新しました

ケアネット連載 〜Dr. 小田倉の心房細動な日々~ダイジェスト版~更新いたしました。

今回は
第31回「ダビガトラン 周術期にどう使う?」
です。

ご参照ください
http://www.carenet.com/series/afjournal/cg001089_0031.html
(要無料登録)
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$$$ ついに我が家のきゅうりがその全貌を!
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by dobashinaika | 2015-06-25 22:38 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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神話・狂気・哄笑――ドイツ観念論における主体性 (Ν´υξ叢書)

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