カテゴリ:心房細動:リアルワールドデータ( 248 )

発作性心房細動では無症候性は症候性に比べて死亡率が高い。持続性ではその傾向はない:Fushimi AFレジストリから


疑問:Fushimi AFレジストリにおいて無症候性心房細動の特徴とアウトカムはどうか?

方法;
・Fushimi AFレジストリ登録患者対象
・発作性心房細動(1837例)と持続性(1912例)とで,無症候性と症候性の臨床的特徴やアウトカムを比較する

結果
1)発作性群:無症候性は症候性より高齢( 74.1 vs. 71.1歳; p<0.01)で女性が多い(62.1% vs. 55.6%; p<0.01)。CHA2DS2-VAScスコアが高い( 3.37±1.73 vs. 2.99±1.63; p<0.01)。

2)持続性では,各特性に大きな差はなし

3)発作性群においては無症候性の危険因子は,75歳以上,脳卒中/全身性塞栓症の既往,男性,慢性腎臓病。

4)持続性群においては,年齢は無症候性の危険因子ではない

5)発作性群においては,無症候性は症候性より全死亡率が高い。 (hazard ratio [HR], 1.71; 95% confidence interval [CI], 1.31-2.29; p<0.01)

6)持続性では差はなし

結論:発作性心房細動では,無症候性は高齢,男性,合併症の数が脳卒中リスクや死亡リスクに関連していた。これらは持続性では関連がなかった

### これまでも無症候性の方が,アウトカムが良くないとの報告はいくつかありました。治療が遅れる,co-morbidityが多いなどが理由です。
ただし,発作性と持続性で比較したものはなかったように思います。

持続性の場合は,症状の有無はCHA2DS2-VAScスコアなどに関係しないものと思われます。持続性では,むしろ症候性のほうがレートが早かったり,心機能が低下していたりして心不全例が多いからでしょうか。その点,発作性の場合は症状は動悸が主と思われますので,心機能低下とは関係ないといえます。

$$$ 夏の夕暮れ時の往診。涼しいので助かります。
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by dobashinaika | 2017-08-30 00:00 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)

新規発症例の心房細動に,肥満,高血圧,喫煙,糖尿病を合併すると心不全のリスクは増加する:JACCHF誌


疑問:新規発症心房細動を有する女性において,心不全発症のリスク因子は何か?

方法:
・米国のWomen’s Health Studyに登録された39876例
・うちベースラインで心血管疾患のない34,736例対象
・心房細動新規発症例における全体の心血管系リスク,予後,心不全発症リスクを評価

結果:
1)心房細動新規発症:1,534例(4.4%),心不全発症:687例(2.0%):平均追跡期間20.6年

2)新規心房細動発症例中:心不全発症226例
大半(82.7%)は心房細動診断時に発症

3)新規心房細動発症例の大半が(39例除く),心不全の既往なし

4)新規心房細動発症例での器質的心疾患合併例は少ない。
左室肥大39%,僧帽弁逆中15%,左房拡大46%

5)心房細動の新規発症は心不全のリスク増加に関連あり:HR 9.03; 95%CI, 7.52-10.85

6)心房細動患者の女性が心不全を発症した場合,全死亡率(HR, 1.83; 95% CI, 1.37-2.45),心血管疾患による死亡率(HR, 2.87; 95% CI, 1.70-4.85)いずれも増加

7)新規発症心房細動が心不全発症に及ぼす寄与危険度:全死亡率9.9% (95% CI, 2.2%-18.3%),心血管疾患による死亡率18.2% (95% CI, 1%-35%)

8)心不全発症のリスク因子;収縮期血圧120以上,BMI30以上,現在喫煙,糖尿病

9)上4つの因子の組み合わせによる心不全への寄与危険度:62% (95% CI, 23%-83%)

10)3または4つのリスク因子を持つ女性に比べ,コントロール良好の女性は心不全発症リスクが少ない
2つの因子=HR0.60; 95% CI, 0.37-0.95; 1つの因子=HR 0.40; 95% CI, 0.25-0.63; 0因子=HR 0.14; 95% CI, 0.07-0.29
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結論:女性で心房細動の新規発症例においては,肥満,高血圧,喫煙,糖尿病の合併が心不全発症のリスク因子であった。

### 永続性心房細動に長く罹患していても,心不全になる人とならない人がいるのは,臨床上よく懐く疑問です。本研究は多数例のコホートを用いて,肥満,高血圧,喫煙,糖尿病が重複する人ほど心不全になりやすいことを検証した,大変意味のある研究と思われます。

抗凝固療法が普及してきた今日,以前からも述べておりますように,心不全防止が心房細動治療の主眼目になると思われます。その際,上記のリスクを多く抱えている人ほど心不全には常に気をつけて診療することが勧められると思われます。

本文中では睡眠時無呼吸症候群のリスクも大切とされています。実臨床でも常に気をつけたい点です。

$$$ S市杜王町のマンホール
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by dobashinaika | 2017-08-21 22:15 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)

長時間労働者(週55時間以上)は標準時間労働者よりも心房細動を発症しやすい:EHJ誌


疑問:長時間労働と心房細動との関係は?

方法;
・ヨーロッパのいくつかのコホート研究のメタ解析
・85494人対象。平均43.4才
・心房細動の記録なしの人
・心電図、カルテ、薬剤伝票、死亡統計から解析
・10年間追跡
・長時間労働者(週55時間以上)vs.標準労働時間(週35−40時間)

結果:
1)心房細動新規発症:1061例(12.4/1000人年

2)長時間労働者は標準労働時間の1.4倍の発症率(ハザード比= 1.42, 95% CI = 1.13–1.80, P = 0.003)

3)コホート間の明らかな異質性なし (I2 = 0%, P = 0.66)

4)冠動脈疾患、脳卒中を除いても結果は同様

5)肥満、アルコール、高血圧といった行楽因子を調整後もほぼ同様
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結論:長時間労働者は標準時間労働者よりも心房細動を発症しやすい

### 年齢、性別、社会経済状態、から併存疾患、アルコール、肥満などの因子を補正してのデータです。
実際には心電図で1回でも記録できた人も含まれると思われますので、脳卒中や死亡率にまで影響するかは不明かとは思います。しかし心房細動のmodified factorとしての自律神経活動はつねに考慮すべき点ですので、その背景の疲労や精神的ストレスの影響は当然気にしたいところで、それをきちんと検証したデータとして貴重と思われます。

by dobashinaika | 2017-08-17 18:42 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)

発作性心房細動は1年で8.6%,10年で35%が持続性に移行する:Heart Rhythm誌


疑問:発作性心房細動のうちどのくらいのひとが持続性に移行するのか

方法:
・カナダの登録研究
・平均61.2歳
・平均追跡期間6.4年

結果:
1)発作性から持続性への移行率:1年=8.6%,5年24.3%,10年=36.3%

2)持続性への移行に関する危険因子
年齢:ハザード比(HR);10年経過で1.4倍
中〜上昇の僧帽弁逆流:HR1.87
大動脈弁狭窄症:HR2.4
左房径拡大(>45mm):HR3.0
左室壁肥厚(エコーまたは心電図):HR!.4

3)全死亡率:10年で30.3%

結論:発作性心房細動は10年間で約35%が持続性に移行する。もっとも大きな予測因子は左房計>45mmである。

### 日本では心臓血管研究所のデータで,年間移行率は5.5%とのデータがあります。J-RHYTHM IIではカンデサルタンで8,2%,アムロジピンで15.0%でした。本研究ではそれらのデータよりはやや低めのようです。

しかし,移行率がわかり,予測因子が左房径と分かったとしても,それを防ぐ手段までは検討されていません。慢性化阻止とは心房のリモデリング防止であり,結局は動脈硬化の予測因子,血圧,糖尿,心不全などをしっかり管理としか現時点では言えないのが,未だに残念です。

$$$ 今日のニャンコ。ぐったり。
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by dobashinaika | 2017-07-20 21:28 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)

日本人の今後10年間の心房細動発症リスクがわかる予測スコア


目的:日本で心房細動を予測するリスク因子は何か?

方法:
・吹田市の一般住民コホート6898例,30−79歳。心房細動なし。1989年から登録,追跡
・2年に1回の検診,医療機関受診時心電図で診断された心房細動

結果;
1)311AF(95180人年)

2)以下のリスク因子を同定
男性/女性=0/-5(点)(30.40代)3/0(50台),7/5(60代),9/9(70代)
高血圧,肥満,アルコール過飲,冠動脈疾患:各2点
喫煙中:1点
非HDL中等度;-1点
不整脈:4点
心雑音:8点(30−40代),6点(50代),2点(60代)

3)C統計量0.749;95%CI 0.724-0.774)

4)今後10年の心房細動発症リスク:
スコア2点以下1%以下,スコア10−11点9%,スコア16点以上27%
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結論:我々が開発した従来からのリスク因子を用いた心房細動発症10年リスクスコアは,心電図なしで外来患者や健診でルーチンに簡便に利用できる。

### 心房細動の発症リスク因子はいろいろあります。日本の国立循環器病研究センターからのこの研究では,年齢,血圧,体重,アルコール,冠動脈疾患,喫煙などの従来からよく言われている因子にくわえ,心房細動以外の不整脈と心雑音を重視しています。

私自身に当てはめると,心雑音なし,ライフスタイル&脂質−1点(non-HD),心血管リスク6点(心室期外収縮,高血圧治療中)で50代男性ですと7%と出ました。

心房細動発症リスクに関する総説,ブログはこちら

$$$ ご近所町内会の張り紙。カフェは6月10日です。
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by dobashinaika | 2017-05-25 15:14 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)

TAVIと心房細動:ESC誌

The Year in Cardiology 2016: arrhythmias and cardiac implantable electronic devices:Atrial fibrillation: pathophysiology, risks, treatment opportunities, and the new ESC AF guidelines

ESC循環器病学この1年から,TAVI(transfemoral aortic valve replacement)と心房細動のまとめです。
一度おさらいしようと思っていたので,良い機会でした。

・大動脈狭窄のある人はもともと心房細動を有している事が多い

・手術やTAVI後早期に潜在性のものが新規発症することがよくある

・洞調律例に比べ心房細動例のほうが,TAVI後の脳卒中,出血,死亡率とも高い

Atrial fibrillation in patients undergoing transcatheter aortic valve implantation: epidemiology, timing, predictors, and outcome. Eur Heart J 2016; doi: 10.1093/eurheartj/ehw456

・弁置換後より,TAVI後のほうが心房細動発症が少ない

・しかしこうした術後心房細動がレートコントロールとリズムコントロールとどちらがよいかについては不明な点が多い

・特にアミオダロンの役割についてはさらなる検討が必要

・TAVI後心房細動にNOACかVKA(ワルファリンなど)が良いかは論議のあるところ

・この議論に関しては未だに答えが出ていない

Valvular heart disease among non-valvular atrial fibrillation: a misnomer, in search of a new term. Eur Heart J 2015;36:1794–1797.

### TAVI後に心房細動がよくみられるとは聞いていましたが,TAVIが原因でと言うより,潜在的リスクをTAVI施行で掘り起こした(注目を向けた)からということでしょうか。NOACの適応が「非弁膜症性」とはいえ,ASはガイドライン上も原理的にも含まれない,つまり使える可能性ありなわけですが(保険では査定される場合もありえるかもしれませんが,注釈が必要?),どちらが良いかは今後研究がでてくるのだと思われます。

$$$ かなり正しく評価がされるようになってきて嬉しい限りです。主演女優賞までは行きませんでしたが,
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by dobashinaika | 2017-01-12 23:36 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)

心房細動の新しいメカニズム:心房細動の進行には,心外膜脂肪の線維化が関与:ESC誌

European Heart Journalの恒例の「循環器学この1年」より,「不整脈&植込み型デバイス」ー「心房細動:病態生理,リスク,カテーテルアブレーション,新ガイドライン」の紹介です。

本日は心房細動メカニズム

The Year in Cardiology 2016: arrhythmias and cardiac implantable electronic devices
DOI: http://dx.doi.org/10.1093/eurheartj/ehw629


<心房細動の進展は心外膜下の脂肪組織が線維組織に置き換わることが関与している>
Atrial fibrillation is associated with the fibrotic remodelling of adipose tissue in the subepicardium of human and sheep atria. Eur Heart J 2015; doi: 10.1093/eurheartj/ehv625

・心房細動の病態生理を語る上で,心房細動のリモデリングに関する非常に興味深い実験的及び診療的研究
・心房細動進展の強力なリスク因子とされていた心房外脂肪組織が線維組織に徐々に置き換わり心房細動の器質を提供する
・この研究は心房細動と肥満の研究を説明できる可能性がある。
・更にこれらの研究から,体重減少が心房細動持続時間の減少に関与することが示され,さらに構造的リモデリングの改善が心房細動を減らせるかどうかに焦点を当てられるだろう。

<MRIを用いた心房筋線維化の可視化>
Magnetic resonance imaging of atrial fibrosis: redefining atrial fibrillation to a syndrome. DOI: http://dx.doi.org/10.1093/eurheartj/ehv514


・MRIによる心房線維化の同定と定量化は有望。
・ただし心房壁が薄く方法論的には障壁多い。
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### どちらも2015年の論文ですが,追試論文がその後も出ていますので,取り上げられているようです。
しかし,心房細動に心筋の外の脂肪組織の線維化までが関与しているとは,以前は思っても見ないことでした。肥満の人ほどこの心外膜の脂肪も多いので心房細動リスクが大きいのもこれで頷けます。それがMRIでより明瞭に同定できるようにでもなれば,MRIが心房細動の早期発見に寄与する時代も遠くないかもしれません。

$$$ 近所で拾ってきた子です。知り合いの方に譲って4ヶ月,立派に育ってくれて嬉しい限り^^
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by dobashinaika | 2017-01-10 23:29 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)

心房細動患者の死因上位は心臓突然死と心不全,脳卒中は少数:RCTメタ解析


Causes of Death in Anticoagulated Patients With Atrial Fibrillation
JACC Volume 68, Issue 23, December 2016 DOI: 10.1016/j.jacc.2016.09.944


疑問:抗凝固療法下の心房細動患者の死因は何か

E/C:DOAC対ワルファリンのRCT登録患者

O:死亡率,補正後の死因

T:メタ解析

結果:
1)4RCT, 71,683人

2)死亡率9%,補正後死亡率4.72%/年 (4.19-5.28)

3)心臓死:46%,非出血性脳梗塞/全身性塞栓症:5.7%,出血関連死;5.6%

4)生存例に比べ死亡例では:心不全の既往(OR1.75),持続性/永続性心房細動(OR1.38),糖尿病(OR1.37),男性 (0R1.24),高齢者 (3.2歳高),CrCl低値 (-9.9)

5)死亡率減少はDOAC> ワルファリン:-0.42%/年。多くは出血の減少による
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結論:最近の心房細動トライアルでは,多くの死亡は心臓死であり,脳卒中や出血由来は小さな層にとどまる。抗凝固療法を超えた介入が心房細動の死亡率減少には必要。

### 死因をよく見ると,心血管系では,血管死64%,心臓死46%,突然死/不整脈28%,心不全15%,心筋梗塞3%(重複あり)。非心血管系では,悪性腫瘍11%,感染症9%,呼吸器疾患3%とのことです。

抗凝固療法をしっかり行っている場合,心房細動患者の死因は脳卒中や出血以外であるという,以前から言われているfactのまとめですね。死因の半分は心臓死で多くは突然死か心不全です。突然死には虚血が多く含まれていると思われますので,結局抗凝固をしっかりやったあとは動脈硬化の危険因子と心不全に注意せよという。当たり前のしかしながら重大で怠りがちなTake home messageです。

DOAC vs ワルファリンの差は年間0.4%ですが,虚血の危険因子と心不全管理をガッチリやればこの差は余り大きくないようにも思えますが。例えばこのメタ解析は100%抗凝固施行(脱落はある)ですが,以下の登録研究では抗凝固率60%で死亡率は同じかむしろ少ないような数字ですね。

by dobashinaika | 2016-12-08 22:25 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)

心房細動がある人はない人に比べ死亡率が1.5倍,脳梗塞は2.3倍,心不全は5倍:BMJ誌


Atrial fibrillation and risks of cardiovascular disease, renal disease, and death: systematic review and meta-analysis
BMJ 2016; 354 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i4482 (Published 06 September 2016)

疑問:心房細動と心血管疾患,腎臓病,死亡との関連はどうなのか?

デザイン:システマティックレビュー&メタ解析

データリソース:Medline and Embase.

論文のクライテリア:心房細動と心血管疾患,腎臓病,死亡関連のコホート研究

結果:
1)104研究,9686513

2)心房細動と関連あるアウトカム
死亡:RR1.46, 95% confidence interval 1.39 to 1.54
心血管死:2.03, 1.79 to 2.30
主要心血管イベント:1.96, 1.53 to 2.51
脳卒中:2.42, 2.17 to 2.71
虚血性脳卒中:2.33, 1.84 to 2.94
虚血性心疾患:1.61, 1.38 to 1.87
突然死:1.88, 1.36 to 2.60
心不全:4.99, 3.04 to 8.22
慢性腎臓病:1.64, 1.41 to 1.91
末梢血管疾患:1.31, 1.19 to 1.45
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3)心房細動と関連のないアウトカム
出血性脳梗塞:2.00, 0.67 to 5.96

4)絶対リスク増加の最も高いのは心不全

5)いくつかのサブグループ解析,感度分析でも同様の結果

結論:心房細動は死亡,心血管疾患,腎臓病のリスク増加に関係あり。心房細動は患者では脳卒中以外のアウトカム減少にも気を配る必要がある。

### すでに同様の知見は本ブログでも何回も取り上げました。心房細動の死因1位は心不全というおおきな論文も最近Lancetに載っています。本論文は心房細動はある人はない人に比べ,全死亡は1.46倍,虚血性脳卒中は2.33倍,そして心不全は4.99倍という結果でした。

最近の研究では,既存の心房細動よりも,心不全に新たに心房細動が発症すると予後が悪くなることがわかっているようです。
いずれにしろ,心房細動患者における治療史として脳卒中治療の世紀から心不全治療の世紀への変遷と言えるかもしれません。取り立ててそんなに騒がなくても,昔も今もどんな心疾患であれ心不全治療は常に念頭に置かれるべきものではありますが,
by dobashinaika | 2016-09-12 18:49 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)

心房細動例の死亡原因1位は心不全の30%,脳卒中は8%:Lancetより

Occurrence of death and stroke in patients in 47 countries 1 year after presenting with atrial fibrillation: a cohort study
Lancet Published Online: 08 August 2016

目的:世界全体での心房細動の長期予後について解析

方法:
・世界47カ国において心房細動/粗動で病院救急外来を受信した15400例対象
・一次アウトカム:受診1年後の死亡及び脳卒中
・北米,西ヨーロッパ,オーストラリアをレファレンスとした
・2007〜2011年登録

結果:
1)1年死亡率:11%

2)心房細動が主診断例のほうが,二次的な心房細動例に比べ死亡率が少ない(3%vs16%,p<0.0001)

3)南米とアフリカは北米,ヨーロッパ,オーストラリアに比べ死亡率大(17%,20%vs10%,p<0.0001)

4)死亡原因:1位心不全30%,2位脳卒中8%

5)死亡の4%は1年以内

6)1年以内死亡率も二次的心房細動のほうが多い

7)脳卒中順位:1位アフリカ8%,2位中国,東南アジア7%,最低インド1%未満

8)北米,西ヨーロッパ,オーストラリアの脳卒中率は3%

結論:心房細動例の脳卒中と死亡率は地域間で大きな,臨床的な変数では説明の付かない差異がある。心不全による死亡抑制が心房細動治療の大きな優先事項になるべき。

### 全世界的に見ても心房細動の死亡原因は心不全であって,脳卒中ではないということですね。抗凝固療法の普及の他に,地域格差の原因としては,医療水準や教育経済的格差など様々な要因があるのでしょう。

やはり心房細動治療も,抗凝固時代から心不全最優先時代に入ってきたと言っても良いと思われます。

$$$ ときどきうちの庭をゆうゆうと散歩するネコ。鼻をブーブー鳴らしていましたが,最近治っているようです。
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by dobashinaika | 2016-08-15 22:59 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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