急性期処置及び周術期におけるNOACの管理13の指針


AHAから各種急性期ケアおよび周術期におけるNOACに関するステートメントがでました。
少し前にもACCから出ていますが、こちらはNOACに特化しています。
例によってACCのメルマガのまとめから

1)NOACは,AFやVTEでのワルファリンの代替薬あるいは第一選択薬として広く使用されている

2)NOACは,ワルファリンに比べ迅速な効果と短い半減期,より安定した薬物動態をもつ

3)NOACのモニタリングはルーチンには勧められないものの,正常範囲のAPTTはダビガトランの治療域に達していないことを示す。抗Xa活性が同定できないレベルであれば,リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンが臨床的に適切なレベルではな

4)医療施設は,抗凝固薬中和に関するプロトコールを多職種に示す形で作成すべきである

5)ダビガトランはイダルシズマブの2.5g2回投与で迅速に中和される。プロトロンビン複合体製剤(PCC)や透析は経口摂取後数時間が特に有効である

6)リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンは薬剤特異的な中和薬が今とのところない。4因子PCCか新鮮凍結血漿が使用できる

7)NOAC使用下で頭蓋内出血が生じた場合,上記のような手順で中和が施行される。加えて血圧140未満が推奨される。出血後のいつ再開すべきかは定かでない

8)NOAC使用下での急性虚血性脳卒中の場合,感度の高い検査データがなければ,あるいはNOAC服用後48時間以上経過していなければ,tPAの使用は避けることが勧められる。一般的に,心原性脳梗塞の患者は発症1−2週間での抗凝固薬再開を控えることは避けられる。(TIAあるいは小梗塞なら短時間)

9)出血低リスク手技(歯科手技,皮膚疾患,眼科手技,生検なしの内視鏡)はNOACは止めない

10)出血中〜高リスク手技ではクレアチニンクリアランスに基づくNOACの停止が勧められている。ヘパリンブリッジはいらない

11)NOAC服用患者で急性冠症候群や緊急心カテが必要な場合,抗血小板薬2剤(DAPT)とヘパリンが開始され,NOACは緊急カテのときは中断される

12)冠動脈ステントが必要な場合,トリプルテラピー(NOAC+DAPT)の期間はリスクベネフィットに応じて決められる。PPIを処方し,NSAIDは避けること

13)カルディオバージョンおよびカテーテルアブレーション時は,NOACは3−4週はやめない,または経食道心エコーで血栓なしを確認する。NOACは継続またはカテの間だけ中止とする

### 網羅されています。何処かに貼っておきます。
ACCのパスウェイはこちら


by dobashinaika | 2017-02-24 19:01 | 抗凝固療法:抜歯、内視鏡、手術 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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